長崎県議会 > 2004-03-01 >
03月01日-03号

  • "アメリカ同時多発テロ"(/)
ツイート シェア
  1. 長崎県議会 2004-03-01
    03月01日-03号


    取得元: 長崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成16年  2月 定例会平成16年2月定例会                平成16年3月1日               議事日程                               第8日目----------------------------------- 1 開議 2 県政一般に対する質問 3 散会平成16年3月1日(月曜日) 出席議員(49名)       1番   山北正久君       2番   江口 健君       3番   小林駿介君       4番   高見 健君       5番   高比良末男君       6番   渡辺敏勝君       7番   楠 大典君       8番   大久保潔重君       9番   瀬川光之君      10番   山口壮三君      11番   押渕礼子君      12番   外間雅広君      13番   溝口芙美雄君      14番   片山正純君      15番   江上 忍君      16番   中山 功君      17番   織田 長君      19番   松尾 等君      20番   萩原康雄君      21番   黒田成彦君      22番   四辻弘雄君      23番   永淵勝幸君      24番   坂本智徳君      25番   青崎 寛君      26番   林田 悧君      27番   吉川 豊君      28番   橋村松太郎君      29番   佐藤 了君      30番   浜崎祐一郎君      31番   馬込 彰君         欠番      33番   中田晋介君      34番   橋本希俊君      35番   川越孝洋君      36番   森 信也君      37番   前田富雄君      38番   松島世佳君      39番   田中愛国君      40番   西川忠彦君      41番   朝長則男君      42番   三好徳明君      43番   奥村愼太郎君      44番   末永美喜君      45番   平山源司君      46番   田口一信君      47番   大石 保君      48番   末吉光徳君      49番   松田正民君      50番   宮内雪夫君      51番   八江利春君----------------------------------- 欠席議員(1名)      18番   吉村庄二君----------------------------------- 説明のため出席した者   知事       金子原二郎君   副知事      辻原俊博君   出納長      白浜重晴君   総務部長     有岡 宏君   地域振興部長   横田修一郎君   県民生活環境   部次長兼環境   井口隆徳君   政策課長   福祉保健部長   塚原太郎君   商工労働部長   中本豊治君   水産部長     久保紘遠君   農林部長     南里雅彦君   土木部長     中野正則君   政策調整局長   立石 暁君   交通局長     安永憲一君   出納局長     松本邦夫君   地域振興部            篠部武嗣君   理事   教育委員会            赤崎眞弓君   委員   教育長      木村道夫君   教育次長     中嶋将晴君   監査委員     清浦義廣君   監査事務局長   浦 稔美君   人事委員会            小野伸夫君   委員   人事委員会            中本 誠君   事務局長   公安委員会            川添一巳君   委員長   警察本部長    出原健三君   地方労働委員            内田正二郎君   会事務局長   選挙管理委員            大川美津男君   会委員   選挙管理委員            渥美輝夫君   会書記長----------------------------------- 事務局職員出席者   局長       古賀利満君   総務課長     松尾博之君   議事調査課長   城田治幸君   議事調査課            伊藤順一君   企画監   議事調査課   議事運営班    西 義隆君   課長補佐   議事調査課   議事運営班    和田木詳広君   係長   主査       松岡正晃君   主事       早川弘喜君-----------------------------------     -午前10時0分 開議- ○議長(八江利春君) ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、2月27日に引き続き、一般質問を行います。 松田議員-49番。 ◆49番(松田正民君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。 自由民主党・松田正民でございます。 県政推進上、多くの課題がありますけれども、その中から、その他を含めて8つの項目について、それぞれ質問をさせていただきたいと思います。 知事ないし所管部長におかれましては、明快なるご答弁を求めたいと思います。 よろしくお願いいたします。 1、住宅供給公社をはじめ県の出資団体に対する業務の方向性について。 県は、今後とも、住宅供給公社の存続という取り組みで検討を進めておられるようでありますけれども、独立採算という経営の立場から考えた時、そのことは可能なのかどうか。 もちろん、特定調停をはじめ、その後における金融機関をはじめ、債権者、さらには関係機関をはじめ、県民の動向など、現行のスキームとともに、その調整がうまくいってはじめて住宅供給公社の問題も発展的解消につながってくるものであることは、言うまでもないと思います。 しかし、いまひとつ静かに考えてみた時、果たしてその方法論として、3つの案である、特定調停、ないしは民事再生、あるいは破産という、その根拠に基づいた手続があるように仄聞いたしておりますけれども、結果的には、以前問題に挙がりました住専同様、国民の税金で大きな負担をするということで、経営のトップである執行部の責任は問わない、あるいはまた、責任説明もないままの取り扱いで終始するというようなことも考えられますけれども、そのことについての知事の総合的な見解、基本的な見解をお伺いをしておきたいというふうに思います。 ところで、今や、日本は、少子・高齢社会を迎え、大きな転換点にございます。そのため、自治体も、国も、従来のやり方や制度にとらわれない新しい発想と変化が求められてきているところであります。 こうした流れの中で、個人の価値観やライフスタイルも大きく変化をもたらしてきているところでありますけれども、そこで、必然的に新たな居住ニーズや住まい方があらわれ、その適切な対応と支援が強く求められている時代でもあると思考されます。 そこで、社会の仕組み、あるいは構造そのものが多様化し、大きく、しかも速い速度で変化を遂げてきている時、果たして公的機関である公社の取り組みというものが、機能的にその役割を果たすことができると言えるのでありましょうか。 このことは、住宅供給公社のみならず、県の出資団体の土地開発公社などにも当てはまるのではないでしょうか。 今後の公社の運営とともに、経営は、事業経営及び財政的視点から見れば、当然競争原理の導入により、徹底した独立採算を行うことであります。すなわち、時代の要請と購入者ニーズに合わせた新しいビジネスモデムを確立し、事業収益を見込める効率的な経営手法を導入することにほかならないと考えます。 そのためには、まず、自立経営の視点から、徹底したコストダウンと業務効率化の実施、また、原価主義から企業会計主義に変更し、会計の透明性の確保、さらには、顧客ニーズを先取りした事業、あるいはサービスの見直しと業務の再構築、また、人事制度及び管理体制の改革、職員の意識改革、そして競争原理の導入による独立採算体制が求められ、中・長期的な改革を行う必要があると思われます。 そのことは、今回の住宅供給公社の存続による経営で、引き続き県民の期待にこたえられるような、将来ともにしっかりとした経営体質といったものが図られるのかどうか。また、このところ思うことは、公社をはじめ、一部の県出資団体の事業についても考えさせられるところであります。 民間にゆだねられるところはしっかりと任せ、県が直接手当をするところについては、経営という立場から離れて、サポート的役割を果たす時代に入ってきているのではないでしょうか。 住宅供給公社をはじめ、県の出資団体である事業について、いま一度見直すべきは洗い直し、取り組む姿勢が必要な状況ではないかと思考されます。 県の出資団体が68もある中で、県のOBの天下りが100人以上の関係者が使われ、なおかつ県の外郭団体であるだけに、年間83億円の公金支出ということが、今の時勢から考えた時、果たして県民が納得する行為であるのかどうか。財政事情が真に逼迫する中で、このような処遇を引き続き行うのかどうか、知事のご見解をお伺いしたいと思います。 2、水産県長崎としての今後の発展的取り組みについて。 今日、水産県長崎の漁獲高は4番目であり、売上げと同時に、その実績は、北海道に次いで2番目の成績であります。 そのことは、県下漁民の力強いエネルギーとなって、大きな産業の原動力になってきたことは言うまでもございません。 さらに、地形的にも、東シナ海、黄海、日本海と恵まれた環境のもと、水産県長崎として生々発展を遂げてきたところであります。 しかしながら、1972年の200海里時代に入ってからは、将来像を描けずに苦しんでいるのが実情のようであります。 政府は、これまで、「常に秩序ある輸入を行う」と「漁業白書」には方向性を打ち出してはおりますものの、そのこととは裏腹に、水産物は世界から多くの輸入が行われ、現在の日本の水産界にあって、その影響が、魚価の安定的条件を満たす行為が行われていない実態でもあります。 せんだって大きな問題になりました、ホルマリン使用トラフグについても、今後は、これまで以上に中国からの輸入が行われているということでもあり、日本の養殖業者、とりわけ水産県長崎、日本一の鷹島の養殖業者においては、大きな影響をもたらすものと思われます。 基本的には、日本の水産業界をしっかり守り、育てるためには、水産物の価格対策と、それに関連する輸入問題にあり、このことは、政府の食糧安全保障にかかわる対策というものが根本的な要因であると思います。 そうした背景の中で、今後、水産県長崎の取り組もうとする姿勢については、多くの課題と対策が望まれるところでありますが、今後、どのような体制の中で、水産県長崎の漁民の誇れる、しかも安定的な生活の基盤とともに、他県の水産行政に負けない手だてを模索されておられるのか、水産部長にお伺いをいたしたいと思います。 3、厳しい財政運営に伴う県政の発展的手だてと方向性について。 平成16年度の当初予算案における内容は、想像以上に厳しく、せんだっては、「中期財政見通し」について、平成16年度より平成20年度の5カ年間で示されたところでありますが、自主財源である県税の落ち込みははるかに厳しく、前年度と比べ、13億4,000万円と落ち込んでおり、これまでの900億円から800億円台になり、さらに拍車をかけるように、地方交付税についても、あるいは国庫補助金についても、国からの頼りとする依存財源が思わぬ以上の取り扱いに、今後の長崎県の政治、経済の発展は、果たして知事が考えておられるような政策実現のための県民の幸せというものが可能であるのかどうか。 このままの状態でいくならば、厳しい財政事情の状況とともに、経済の方向性が見出せない実情の中にあって、平成20年度には、確実に再建団体に転落する可能性が考えられるが、知事としては、この思わぬ危機的財政状況とも言える打開策を、いま一度改めて考え、問い直す状況ではないのか、知事のご見解をお伺いいたしたいと思います。 昨年、国は、「三位一体の改革」を掲げ、補助金の削減、国から地方への税源移譲、そして、地方交付税の見直しを一体的に進めることで、分権社会としての役割とともに、国、地方、ともにやる気と活性化の活路を見出そうとしたことは言うまでもございません。 しかしながら、補助金の削減をはじめ、地方交付税の見直しだけが先行し、その裏打ちともいうべき税源移譲については全く手をつけることなく、そのことは、一層地方財政に大きな悪影響を及ぼしていることは言うまでもありません。 九州各県をとらえてみても、一様にその結果は、県債残高だけが大きく膨れ上がり、三位一体の改革で、逆に地方財政の悪化が一段と進んだ格好でもあります。 国は、地方自治体の危機的財政運営を早急に立て直すことにあると思いますが、その要件は、三位一体の改革の一つである税源移譲についてもしっかり取り組む必要があると思考されます。そのことが、ひいては地方自治体の責任ある行動に伴って、その役割と機能を具体的に実現可能な自治体として果たすことができるものと確信をいたします。 そこでお尋ねいたしますが、今回、国の手だてによる三位一体の改革に対する処遇と手だてについて、どのようなお考えをお持ちであるのか、知事の基本的な考えをお伺いいたしたいと思います。 あえて申し上げれば、国の三位一体に対する取り組みについて、今年度の予算の裏づけとともに、将来の政策実現のための長崎県の発展的方向性を考える時、国に対し、どのようなことを望もうとされておられるのか、そのことについても、知事の見解を求めたいと思います。 4、長崎新幹線建設促進の現状についての見通しについて。 知事は、今月18日に開かれた「自由民主党整備新幹線建設促進特別委員会」において、沿線自治体のヒアリングで、長崎ルートについては、武雄温泉から諫早の先行整備を求められたところであります。 これまで、新幹線長崎ルートは、高速交通体系の柱の一つとして、整備5線の路線に挙げられていたことは言うまでもありません。 その後、ルートの変更とともに収支改善をはじめ、ルートの早期建設については調整が必要となり、最終的には、JR九州においても収支改善効果が見込め、建設を積極的に進めていこうとする姿勢に変わり、最終的に、苦難の過程を経て、長崎ルートは、建設費が半分に圧縮される短絡整備路線となっているところであります。 ところで、その自由民主党整備新幹線建設促進特別委員会においては、今後のスケジュール、また、財源問題について、さらには、長崎ルートの必要性についての質疑が、地元国会議員をはじめ、関係する都道府県代議士、また、省庁の職員出席のもと、質疑が交わされたところであります。 そこで、お尋ねをいたしますが、平成16年度中に新幹線建設のための財源の確保をはじめ、整備5線としての具体的結論が出されるとお聞きいたしておりますが、今回の「自由民主党整備新幹線建設促進特別委員会」での長崎新幹線にかかわる路線の取り扱いについては、どのような質疑の内容であったのか。隣接する佐賀県との調整も大きな問題となることも考えられますが、そしてまた、さらには、国及びそれぞれにかかわる都道府県、自治体の財源の裏づけについてはどのようになっておるのか、所管部長にお伺いいたします。 5、県下の市町村合併の動向について。 現在、離島を中心として、広域的合併の具体的行動が現実化しておりますが、そのことは市町村自治体の自主性の中で広域的合併が進められており、今後の新しい枠組みの中での新生自治体として、大いに期待するところであります。 3月1日、本日でありますが、「壱岐市」と「対馬市」においては、新しい市として、広域合併の中でしまづくりとしての大きな相乗効果をもたらすことは言うまでもありませんが、今後大いに、それこそ知事ないしは市町村関係のトップとしての役割の中にも、指導というものを発揮しながら、大きく生々発展を遂げられることを心からこいねがうところであります。 一方で、大陸部にあってはどうであるか。地域性、あるいは特殊性の中で思うようにいかない。合併の取り組みが、二転、三転、転換するところもあり、いまひとつ出遅れている感も否めませんが、県としては、市町村合併の取り組みについては、あくまでも自治体の自主性に任せられているのかどうか、また、任せられなければならない法律的根拠の仕組みになっておるのか、所管部長にお尋ねをいたしたいと思います。 さきに財政の状況と模様について、それこそ厳しい財政の実態を述べましたが、もとより今回の市町村合併に対するそれぞれの自治体の財政状況にもよると思いますが、基本的には、広域的な市町村合併をして、はじめて効果的な、しかも効率的な合併としての意義があると思いますが、このところ、2町であるとか、あるいは合併はしないままの1町でいこうとする自治体もあり、そのことは、合併後における自治体の財政運営に大きな格差とともに支障を来すことも考えられると思いますが、そのことについての1町ないし2町の枠組みの中での現実的な財政運営というものが、果たして将来ともに体をなしていくことができるのかどうか、所管部長にお伺いをいたします。 このことにつきましては、それぞれの市町村の事情ということもありましょうが、結果的には、それぞれの自治体に対する住民の負担なり、あるいは影響というものを大きく持たされてくると思いますけれども、その辺のことも含めて、所管部長にお尋ねをいたしたいと思います。 県下の71市町村を見渡して考えた時、ほとんどの自治体が、自主財源に乏しく、一方では、地方債が大きく膨れ上がり、そのことが今回の市町村合併につながっていることを考えれば、当然大きな合併の枠組みで考えていくことが、その自治体の発展はもちろんのこと、その自治体の住民にとっても、将来ともに大きな幸せをもたらすことができると確信いたしております。 そこで、お尋ねをいたしますが、合併をしない小規模な町村に対する取り組みについては、その自治体の財政運営の自主性にあくまでも任せることが前提でありましょうけれども、国、県の財政状況から考えれば、その自治体においては、かなり厳しい財政運営の手だてを求められることになり、結果的には、その自治体の都道府県である長崎県が、不足する財政については手だてを求められる可能性もあり、その場合の取り組む姿勢があるのかどうか、なければならないのかどうか。そのことについて、所管部長にお尋ねをしておきたいと思います。 6、離島医療の支援に伴う医師の確保について。 従来、離島における医療行為に対する事業をはじめ施策については、具体的な活動方針を持って、広く離島民の生の声を反映すべく、強力に最大の取り組みをされてきたところでありましょう。 しかしながら、現実的には、離島と本土との格差というものを考えれば、大きな開きがあるようにも思考されます。 そのことには、宿命とも言える地理的ハンディをはじめ、必然的な状況を客観的にも考えた時、おわかりのように、難しい問題が数多く出てくることも否めない現実でありましょう。 そういう状況の中で、特に第一の課題とも言える医者の確保が、離島住民にとっては最大限の願いであり、依頼でもあると思います。 そこで、今回、離島診療所に医師の確保を図るための手だてとして、市町村からの要請を受けることにより、離島の市町村立診療所などに、常勤医師の派遣や診療支援を行う「離島・へき地医療支援センター」を、今年4月に国立病院長崎医療センター内に設置されることが具体化されるということをお聞きいたしておりますが、その行為について、体制とともに内容についてはどのようなシステムになるのか、所管部長にお尋ねをいたします。 また、仄聞するところ、「離島・へき地医療研究教育統合センター」として五島中央病院内に設置しようとする、いわばそのことは地元市及び町と協力をして長崎大学へ寄附を行い、離島での医療実習や地域保健実習を行い、離島医療の研究を行う講座を設置していただくということであり、もとより離島医療を担う人材の育成を図ってまいるということでありますが、寄附行為をする上でどのようなシステムをもって寄附行為の取り扱いを具体的に活用しようとされておるのか、所管部長にお伺いいたしたいと思います。 7、国際交流推進に対する県の考え方について。 県は、これまで常に国際県長崎を標榜し、中国、韓国及び東アジアを中心とする政治、経済、あるいは文化方面に至るまで、各分野にわたり、人的支援、あるいは物的支援をはじめ、深い関わり合いの中で、国際的発展に取り組んできているところであります。 しかしながら、他県では、長崎県以上の先取りをした夢と期待にあふれる、常に前を見据えた国際立県としての自信あふれる具体的展開が、未来を見据えた国際県として反映している都道府県もあります。 そのことは、決して長崎県が出遅れていることをあえて申し上げているのではなく、現在の置かれているすべてのことで状況分析を考えてみれば、いま一度、国際県長崎としての総合的立案に立ち返ってみることも必要な時期にきているのではないでしょうか。 いわゆる長崎県の置かれている地勢状況とともに、分析をもって、他県とは違う特殊性のある長崎県の文化及び政治、経済をはじめ、深い交流を持てる近い国、これからを発展的に見据えた長崎県との間において、親しく交流が持てる国との間において、積極的な関係を築き、構築することの関係も一つの方策と思考されますけれども、知事の基本的なご見解について、お伺いをいたしたいと思います。 また、国際交流を図る上においては、人材交流というものが必要であろうかと思いますが、人と物との交流は大変大事なことであると思いますが、その取り組みとして、留学生に取り組む長崎県の姿勢というものは、どのような基本的な見解のもとに人材交流というものを推し進めようとされるおつもりがあるのか、所管部長にお伺いをいたしたいと思います。 8、その他。 今日の新聞に出ておりましたけれども、新聞がすべてとは思いませんけれども、地方ローカルとして、魚礁の取り扱いで、いわゆる魚礁が投下されたことはいいんですけれども、間違った、県発注の事業に即した、設計図面に照らした、そういう動きの中で、魚礁というものがちゃんとしたものとして位置づけがされていない。そのことが大きくクローズアップされると同時に、この責任というものの取り扱いについて、県、あるいはまた業者との間で、いわゆる割当て、負担としての取り扱いに入りたいというような見出しがありましたけれども、この魚礁というものに対しての扱い方について、大きく新聞で見出しになっておりますので、どういう経緯の中で現在進んでおるのか。そのことはどういうふうに発展をしてくるのか、そのことについてお伺いをいたしておきたいというふうに思います。 以上、7つ、そして、その他の関係についてお伺いをいたしました。 そのほかのことにつきましては、知事の答弁、あるいは所管部長のお答え次第によっては、自席から再質問をさせていただきたいと思います。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(八江利春君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕松田議員のご質問にお答えする前に、「対馬市」、「壱岐市」の誕生に当たりまして、お祝いを申し上げたいと存じます。 本日、「対馬市」、「壱岐市」が誕生しまして、新たなスタートをきることになりました。まずもって、皆さんとともに心からお喜びを申し上げる次第でございます。 市町村合併の取り組みが実を結び、県内におきまして、「平成の大合併」の第1号となるものでありまして、また、大きな島が、それぞれ1つの市となることは画期的なことであります。 2つの新しい市が誕生したことは、ひとえに町長さん、議会の皆さん方、住民の皆さん方が、地域の発展を願って、真剣に協議を積み重ねた賜であり、改めて地域の皆様のご英断に対して、心から敬意を表する次第であります。 これまで、固有の歴史を歩んでこられた対馬6町、壱岐4町が、これからは、それぞれが歩みを一にして、新しい市として歴史を刻んでいかれることになります。 県といたしましても、「対馬市」、「壱岐市」の住民の皆様が、「合併してよかった」と心から思っていただけるよう、新しい市の発展のために最大限の支援を行ってまいりたいと思います。 それでは、松田議員のご質問にお答えをいたします。 住宅供給公社の問題についてのお尋ねでございますが、住宅供給公社の問題に関しましては、議員ご指摘のように、私も県民の負担をできるだけ軽くすることが何よりも重要と考えています。 今回、公社が申し立てた特定調停の再建スキームでは、残った債務を分譲資産の売却や賃貸事業による収入などによって返済していくこととしております。 破産や民事再生による処理を行った場合、民間の事例を見てみますと、資産の処分価格が相当程度下落しまして、多額の損失が生じることから、県や金融機関等への配当率が低下することになります。 そうしたことから、今回の特定調停が申し立てどおり成立すれば、金融機関等はもとより、県民の負担という面でもより軽くできるものであり、県としても、今後、各金融機関等のご理解を得て、この特定調停が成立するよう、公社とともに努力してまいりたいと思います。 説明責任に関してのご懸念につきましては、特定調停が当事者同士での調整により解決を図っていくという性格上、その内容の公表には一定の制約がありますが、今後、調停での議論の経過や内容については、県議会や県民の皆様に十分にご説明し、ご議論いただくためにも、特定調停の場で、情報開示についての関係金融機関等のご理解を賜るようにお願いをしたいと考えております。 また、経営責任の問題につきましては、公社事業は、その時々の社会経済情勢を踏まえ、理事会の議決を経て行ってきておりますが、さまざまな経緯の中で、長期にわたり事業を行っていることなどから、どこに責任があったかを判断するのは非常に難しいと考えております。 この問題に関しては、できるだけこれまでの経緯や実態をご説明申し上げまして、県議会や県民の皆様の評価を仰ぎたいと考えております。 次に、県出資団体の今後のあり方についてのお尋ねでありますが、県出資団体については、その設立趣旨までさかのぼって、解散及び廃止といったことも含めた抜本的な見直しを行っておりますが、見直し後も存続する団体については、企業経営的な思考を持って、最小の経費で最大の効果が得られるようにしていく必要があると考えております。 このような観点から、出資団体の経営陣や職員に県のOBを推薦する場合は、団体の事業や経営に関して、能力のある適切な人材であるかどうかを厳格に判断するとともに、企業経営的手法の導入による効率的な経営を図る必要がある場合には、民間での経験を持った人材の登用がなされるように努めてまいります。 また、出資団体への支出の多くは、県が直接実施するよりも、団体が実施した方がより効率的で、機動的な効果が生じる事業に対して行っているものであり、例えば、長崎県産業振興財団が実施している中小企業等への営業、情報化支援、ベンチャー育成、産学官連携等の事業に必要な経費を支出しております。 一方で、いわゆる運営費補助的な性格の支出の割合は小さなものとなっております。 いずれにしましても、出資団体に対する支出に関して、社会経済情勢の変化等により見直しが必要なものについては、個々の団体ごとに見直しを進めているところであり、今後も、その必要性について十分に精査してまいりたいと思います。 次に、今後の県の財政運営についてのお尋ねでございますが、平成16年度の当初予算では、歳入が軒並み大幅な減収となり、財源不足を補てんするための基金取り崩し額は、過去最大となる362億円になっております。 また、平成15年度についても、最終的に相当の基金取り崩しが必要となる可能性もあり、その結果によりましては、さらに踏み込んだ歳出の見直しに取り組む必要が生じることも考えられますことから、県議会のご意見をお伺いしながら、今後の財政運営や事業のあり方について検討してまいりたいと考えております。 このため、歳入の状況と中期的な本県の財政見通しを念頭に置きつつ、事業の必要性や緊急性、効果について、これまで以上によく精査しまして、計画的な事業執行に努めていく必要があると考えております。 しかし、このように厳しい状況であればこそ、本県の将来を見据えまして、今後、より一層重要となる県税収入の増加を目指しまして、今やっておかなければならない事業につきましては、むしろこれまで以上に積極的に取り組んでいく必要があると考えております。 このため、ハード事業からソフト事業への転換を基本に、徹底した歳出の見直しを行うとともに、政策評価を有効に活用しまして、より効果的な政策手段の選択に努めまして、県民生活に密接にかかわる事業や県内産業の生産性の向上、県民所得の向上につながる事業については、財源を重点的に配分することといたしております。 三位一体の改革についてのお尋ねでございますが、「三位一体の改革」は、本来、国の権限と財源を地方に移して、地方の自由度を高め、地方分権を推進するとともに、より効率的な財政運営を図ることが目的であります。 ただし、税源移譲が進めば、自治体間の財政力の格差が拡大することから、地方交付税の役割が一層重要となります。 しかし、地方交付税が減少となる中では、本県にどのような影響を生じることになるのか、懸念を抱かざるを得ません。 このため、国に対しましては、まず、国、県、市町村の役割を明確にした上で、地方への財源措置の計画を具体的に示し、地方の実態を十分に踏まえた議論を行って改革を進めていただくように、今後とも強く国に求めてまいりたいと考えております。 次に、新幹線についてのお尋ねでございますが、長崎ルートの整備については、現在、工事実施計画認可申請中のスーパー特急方式での武雄温泉~長崎間の早期一括認可及び平成17年度からの着工を強く要望してまいりましたが、財源が厳しい中で、どうしても整備区間を絞らざるを得ない場合には、できるだけ少ない整備費で収支採算性が見込める区間を先行整備しまして、早く効果を出すという考え方から、JR九州と同様、少なくとも武雄温泉~諫早間の早期整備と、長崎駅部の早期着工を認めていただくとともに、あわせて安定的財源の拡充について強くお願いしたところであります。 また、より効果が見込まれるフリーゲージトレインの長崎ルートへの導入方針決定も要望いたしました。 さらに、並行在来線について、JR九州からの経営分離後は、沿線住民の生活の足の確保と利便性の向上を図るため、責任を持って対処することも説明いたしました。 質疑の中で、佐賀県の並行在来線の問題について質問がありまして、佐賀県の副知事から、「関係自治体と目下協議しているところであり、しかるべき時期までに誠意を持って対処していく所存である」との回答がありましたが、関係国会議員からは、さらに、「並行在来線問題については、具体的な案を提示してもらって、早く議論を深めてほしい」などの意見が出されました。 佐賀県とは、このような課題の対応策等について、早急に調整を図りながら進めてまいりたいと思います。 財源の裏づけについてのお尋ねでございますが、今回の「自由民主党整備新幹線建設促進特別委員会」の場で、小里委員長は、「長崎ルートを含む新規着工区間の財源として、約1兆円は確保できる見通しである。今後、この財源でどこまでできるか、公平性、経済性、収支採算性などを総合的に判断して決めていくことになる」という発言がなされました。 なお、地方負担につきましては、新幹線建設費の3分の1を地方が負担することになりますが、地方公共団体には、充当率90%の一般単独事業債の発行が認められておりまして、その元利償還金の50%が交付税措置されることになるために、実質的な各県の負担は、全体の事業費の約18.3%となります。 次に、今後の国際交流についてのお尋ねでございますが、本県は、我が国の中でも東アジアに近い位置にあり、あわせて長い交流の歴史を有しております。 このような優位性を活用しまして、東アジア諸国との交流の拡大を進めていくことは、本県の活性化を図る上で、重要な戦略の一つであると考えております。 隣国の中国及び韓国との交流については、経済をはじめ、文化、観光などの分野で積極的に推進してきたところであります。 今後とも、長年の国際交流の伝統や観光地としての魅力といった長崎県ならではの特色を活かし、実際に交流人口の拡大につながるよう、国際交流の展開に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 特に、本年は、長崎~上海定期航空路線が開設25周年を迎えることから、長崎・上海ウィーク事業によりまして、上海市との交流をさらに深めていくとともに、広東省における現地テレビ局を活用した本県のPRなどにより、広東省とのネットワークの強化に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、近年、中国、韓国以外の東アジア諸国においても、今後、さらに経済発展が期待されるところであり、海外技術研修員の受け入れ等の人的分野での交流などを進めていく中で、相互交流の発展の可能性を探ってまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。 ○議長(八江利春君) 水産部長。 ◎水産部長(久保紘遠君) 今後、水産県長崎として取り組もうとしている対策についてのお尋ねがございました。 本県水産業を取り巻く厳しい現状を踏まえまして、持続可能な水産業の実現を図ることが重要な課題であると考えております。 このため、来年度は、ハード事業からソフト事業への転換をさらに進めまして、「重点施策推進プログラム案」に基づき、生産性の向上と付加価値向上を図る各種施策を展開してまいりたいと考えております。 具体的には、生産性の向上を図るため、漁場整備、種苗放流、資源管理を一体的に取り組むことによる資源管理型漁業の促進や、未利用資源の活用を図るための新たな漁法の導入、さらには、良好な養殖環境を維持する環境改善型養殖の推進を図ってまいります。 また、付加価値向上を図るため、養殖魚の加工拠点づくりを推進するほか、本県の水産物のブランド化について、安定的に品質のすぐれた商品を供給できる体制づくりや、PR等への支援により、県産品ブランドの確立と定着化に努めてまいります。 さらには、消費者の安全・安心に対する関心の高まりに対応し、魚類養殖において、適正養殖基準を満たす養殖業者に対し、確認証を発行する制度を創設してまいります。 県といたしましては、漁業者等の意見も取り入れながら、市町村、漁協、流通業者等と一体となり、本県水産業の振興に努めてまいりたいと存じます。 次に、平戸南の人工魚礁誤設置についての経過と対応についてお尋ねでございます。 これにつきましては、まず、経過でございますが、工事概要としまして、平戸南に魚礁を投入して、広域的な漁場を設置しようというものであります。 全体計画の中で、今回は2カ所に254個の魚礁を投入するという事業でございます。これを7回に分けて投入するという事業内容になっております。この7回を投入する際に、すべての魚礁が南西に約700メートルずれていたということでございます。 この原因につきましては、初回の沈設時に、設計の魚礁設置位置は、分表示で表現されていたにもかかわらず、現場の漁船のGPS、これに沈設位置を入力する際に、県、請負業者とも秒表示のGPSというふうに思い込みまして、分表示を秒表示に換算しました。そのまま数値をGPSに入力してしまい、魚礁を投入しました。その後、6回目までその間違いに気づかず工事を継続したわけでございます。 対応といたしましては、設計書どおりの正規の位置に再投入をするということをいたしたいと思っております。 それから、請負者については、契約上責任施行ということで第一義的な責任があるということにしておりますが、県についても、監督員の魚礁の設置位置の確認等から、一部の責任は免れないのではないかということもございます。 今後は、弁護士を通じまして、過失割合等の法的な協議を行っていきたいというふうに思っております。 詳細な内容につきましては、今回の農林水産委員会で報告をさせていただくようにしております。 なお、今後は、かかる事態を生じないように、再発防止を徹底するとともに、厳正な事業執行を心がけるよう努力していきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(横田修一郎君) 県下の市町村合併の動向について、3点お尋ねがございました。 まず、1点目でございますが、合併はあくまでも市町村の自主性にゆだねられるのかというお尋ねでございます。 自主的な市町村合併の法的な根拠につきましては、平成7年の法律改正の際に、「自主的な」という文言が新たに盛り込まれまして、現行の合併特例法の第1条に、「自主的な市町村の合併を推進する」というふうにうたわれております。 県としては、これまで、法の精神にのっとりまして、市町村の自主的な合併を支援する立場で、さまざまな助言、調整、あるいは情報提供、人的・財政的支援等を実施してまいりました。 これは、地域の将来のまちづくりを考えます時に、合併に関しましては、やはり当事者である市町村の意思、地域住民の意向が最も重要でありまして、尊重されるべきであると考えるからであります。 このような姿勢を各市町村長、あるいは議員及び住民の皆様に十分ご理解をいただいたことが、合併への取り組みが着実に進んでいる大きな要因であると考えております。 県としましては、今後とも、このような基本姿勢に立ちまして、市町村の自主性を尊重しながら、できる限りの努力を続けてまいりたいと存じます。 2点目でございますが、1町ないし2町の枠組みで、現実的な財政運営が将来とも成り立つのか、結果的に住民負担につながるのじゃないかというふうなお尋ねでございます。 自主財源に乏しく、国への依存度が高い小規模町村は、「三位一体の改革」によりまして、地方交付税であるとか、補助金の抜本的な見直しが進むことに伴い、行財政運営上、相当厳しい状況に置かれていくものと考えております。 中でも、みずからの地方税収入だけでは職員の人件費を賄えない小規模町村においては、独自の行財政改革にも限度がございますし、結果として現在の行政サービスの水準を維持することは非常に困難になることも予想されます。 とりわけ、財源不足の多くを基金の取り崩しによりまして対応している町村においては、数年で基金が底をつくこととなりますし、自治体運営が立ち行かなくなるものと大変危惧をいたしております。 また、合併しても、人口規模が極めて小さい小規模合併の自治体では、現在の地方財政の見直しを考えますと、引き続き厳しい財政運営を強いられることが予想されます。できれば、合併効果の高い、より大きな合併を目指していただきたいものと考えております。 3点目でございますが、合併しない小規模町村に対する県の対応はどうなのか、県の負担になるのではないかというお尋ねでございますけれども、現行の合併特例法におきまして、結果的に合併に至らなかった小規模町村のあり方につきましては、昨年11月に、国の地方制度調査会の最終答申が出されまして、その考え方が示されております。 答申の中では、現行法が失効した後も新しい法律を制定し、さらに一定期間、現行のような手厚い財政措置をとらずに、引き続き合併は進めていくというふうにされております。 この答申を受けまして、現在、国で新しい法律の内容が検討され、近々通常国会に提案されることとなっております。 それから、答申の中では、さらに新しい法律のもとでも、なお合併に至らなかった小規模町村については、例えば、住民票、あるいは戸籍などの窓口サービスのみを処理する「特例的団体」という言い方がされておりますが、そういった制度の導入についても検討課題である。これは、自治体にとりまして、極めて権能が制限されることになります。住民自治、団体自治の根幹にかかわるような厳しい内容も示されておるような状況でございます。 県としては、今後の地方自治制度のあり方に関する国の検討状況、あるいは地方財政の厳しい見通しなどを踏まえまして、現行法での合併実現につきまして、引き続き市町村の理解が得られますよう、最大限努力をしてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(塚原太郎君) 離島医療の医師確保について、ご答弁申し上げます。 まず、「離島・へき地医療支援センター」につきましては、医師2名のほか、事務職員を配置し、離島の市町村立診療所の医師に対する診療上の助言や、代診などの支援、へき地医療支援拠点病院群との調整、離島・へき地医療支援計画の策定等を行ってまいります。 こうした支援事業の実施に当たりましては、設置場所である国立病院長崎医療センターをはじめ、離島医療圏組合など関係機関の連携を得ながら円滑に運営に努めてまいります。 また、市町村立診療所に派遣する医師につきましては、広く全国に公募するなどの確保に努めてまいりたいと存じます。 次に、「離島・へき地医療研究教育統合センター」についてでありますが、来年度から5年間の事業として、県と関係市町が資金を拠出することで、長崎大学に「離島・へき地医療学講座」をつくっていただきまして、その活動拠点として、五島中央病院内に「離島・へき地医療研究教育統合センター(仮称)」を設置していただくこととしております。 同センターには、教授、助手等のスタッフを配置いたしまして、離島医療専門家養成のための医学教育システムや、離島医療情報システムの研究開発、高齢化が進む離島における生活習慣病についての調査研究などを行うほか…。 ○議長(八江利春君) 時間です。 松田議員-49番。 ◆49番(松田正民君) 引き続き答弁をお願い申し上げたいと思います。 ○議長(八江利春君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(塚原太郎君) 医学部学生を対象にした離島医療実習などを行うことによりまして、離島医療に対する医師の理解と関心を高め、人材養成を図ってまいりたいと考えております。 なお、寄附金につきましては、センター教員の人件費や研究教育活動費に充てられることとなります。 今後、長崎大学との協定の締結や、総務大臣の同意を得まして、センターを設置したいと考えております。 以上でございます。(発言する者あり) ○議長(八江利春君) 地域振興部理事。 ◎地域振興部理事(篠部武嗣君) もう一点、長崎県の留学生受け入れに対する基本的な取り組みについてお答えいたします。 留学生の受け入れ対策につきましては、帰国留学生が、本県と外国とのかけ橋として貴重な人材となるという認識に基づきまして、現在、私立の大学、短大への留学生受け入れ促進を図るため、私費留学生授業料軽減補助金制度を設けておりますほか、県国際交流協会を通じまして、奨学金の給付、国民健康保険料の一部助成、住宅保証制度による支援を行っております。 また、留学生の円滑な受け入れと交流活動の促進を図るため、県、大学、関係団体で構成いたします「長崎地域留学生交流推進会議」を通じまして、留学生受け入れ枠の拡大や、民間団体等に対しまして、低料金の宿舎の提供など、各種支援策への協力をお願いしておるところでございます。 さらに、留学生をはじめといたしまして、長崎県内に在住中、または在住経験のある外国人を対象に、「長崎県グローバルネット」を開設いたしまして、Eメール等による県との双方向の情報交換等を行いまして、長崎県とのきずなを深めながら、友好の輪を広げていくための事業に取り組んでおるところでございます。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 松田議員-49番。 ◆49番(松田正民君) 7つの項目、あわせてその他を含めた質問であっただけに、答弁というものが少々長くなった。その他も含めて8つですから、少し質問が長かったかなと、項目が多すぎたかなと、そういう感じもいたしますけれども、その点は、お許しを願いたいと思います。(笑声・発言する者あり) 先ほどから、住宅供給公社というのは、資産としての取り扱いとして挙げておったわけですね。資産としてのその結果というのが大きく表に出てきて、それが大きな原因となった、いわゆる破綻の支障を来した問題点ではないかというふうに思うんですけれども、どうなんでしょうか。 いわゆる住宅供給公社、これから取り組もうとする姿勢の中にあって、果たして存続というものが可能なのかどうか。私は、基本的に知事と見解が違うんですけれど、特定調停後における整理がついた後、その後における住宅供給公社の存続というものについても、今後、そういう入り方でやっていきたい、その見通しもあるんだということを知事の基本的な見解として、さきの全員協議会等の中でご答弁をいただいておりますけれども、果たして存続というものが可能であるのかどうか、もう一度、確認として、知事の基本的な見解というものをお伺いをいたしたいと思いますが、副知事、せんだってまで理事長をなさっておられたわけですから、その経過についても十分把握をされておられるでしょうから、ひとつ副知事のご答弁をお願いしておきたいというように思います。 しかしながら、知事、最終的には知事の責任にもなってくるんですよ。だから、やはり知事の見解というのも必要だと思うんですが、どうでしょうか。 ○議長(八江利春君) 知事。
    ◎知事(金子原二郎君) 中身が詳しい、こちらからの方がいいかと思ったんですが。 先ほども答弁いたしましましたように、私たちは、結果的には特定調停でやった方がいいという判断の上でやっております。確かに債務超過の問題があるのに、果たして資産売却とか、いろいろな収入で調停した内容についての支払いが十分になされるのかというご懸念があることについてはよくわかります。 ただ、この調停の後のいろいろな中身については、厳しく第三者に精査をしていただいて、会計事務所に精査をしていただいた中で、可能な数字というものを出しておりますから、特定調停が成立をすれば、必ずこういった形で再建が可能というように私は思っております。 ただ、その後の問題についてのお話でございますが、問題は、2、3区の整備というのが残っておりますから、今後、これをどのように解決していくかということは、地元諫早市を含めて、周辺の皆さん方は非常に関心が高い。やっぱり県が公社と一体となってこの地域の開発を進めている以上は、最後まで責任を持ってやらないと、ここですべて放り投げてしまうと、無責任だと、今後、県とか県の外郭団体がやる事業については信頼できないんじゃないかというような話になってくる可能性もあると思います。 私は、やっぱり経過はいろいろなことがあったにしても、最後までちゃんと責任を持ってやることが県としては必要であるかと。仮に、民事再生法とか、破産というやり方もありますが、これは、「もうすべて県はお手上げですよ、県はもう解決できませんから」というようなやり方ですから、それでは余り無責任というようなことになってくるんじゃないかと思いますので、ぜひ議員におかれましても、特定調停ということについての中身をよくご理解いただきまして、いろいろな面でのご協力をお願いした次第でございます。 ○議長(八江利春君) 松田議員-49番。 ◆49番(松田正民君) 知事、理解はしたいんですけれど、いろんな立場の人から、いろんなお話を聞く上において、果たして住宅供給公社の存続というのが本当に可能なのかなと。説明を聞いても、確かな確認として私自身が把握することができないんです。 ただ、県としては、知事も特定調停で存続したいと、そのことがスムーズにいけばいいんだろうけれども。ただ、この住宅供給公社は、基本的にどうなんですか、経営という立場から入っていくんでしょう。違うんですか。それと同時に、これからの時代の要請というものを考えた時には、独立採算の体制で入るわけでしょう、どうなんですか、その辺をお伺いしたいんです。 知事、首をかしげているけれど、どちらかというと、大変失礼な言い方かもしれないけれども、住宅供給公社は、お金が不足すれば県に出資を求めてきていたわけでしょう。一般会計からの持ち出しでしょう。そして、結果的には、マスコミ等が表に出しておるように、天下りであるとか、響きの悪い表現で出てきているわけでしょう。 そういう体をなしている住宅供給公社をはじめ出資団体、そういう外郭団体に対してまで、私はこれからのことを思う時に、見直すべき時代ではないかなと思うんです。もう公社の時代じゃないんじゃないかなと。 出資団体としてのそういう団体がたくさんありますね。その団体が体をなすような、そういう時代背景じゃないんじゃないかなと。独立採算ですよ、経営ですよ。そのことを考えた時に、今の住宅供給公社をはじめ、県が出資をされておるそれぞれの外郭団体、そういう団体が、果たして経営として立派な運営を可能ならしめる、県民に対して期待の持てるような公社の存続というものがあり得るのかなと、そういうように思うんですけれど、どうでしょうか、もう一度。 ○議長(八江利春君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 住宅供給公社に特定してのお話ですか、ほかの公社も含めてでしょうか。(発言する者あり) そうしますと、それは確かに公社のあり方ということを含めて出資団体を検討しなきゃいけないと私は思ったから、「県出資団体あり方検討委員会」をみずからつくったんですよ、逆に言うと。問題点が提起されたから、やったんじゃないんです。3年前に、私の方から、一部公明党の皆さん方からもいろいろな申し入れはありましたけれども、私は、かねてから出資団体のあり方、公社の問題ついては、今後、考えていかなきゃいかぬというから、出資団体についての検討委員会をつくっていただいて、そこの中でちゃんと答申も議会にお示ししたと思うんです。議会でも議論した上で、今、その改革に当たっているわけなんですから。 そういう計画の中で、住宅供給公社としては、こういう問題が発生しましたから、発生した以上は県が責任を持って処理をしましょうというのが、今回の考え方なんですから。そこは、今まで何もやらなかったと、これからの新しい時代になって、変えていかなきゃいかぬという前向きの姿勢で取り組んでおることを、ぜひご理解いただきたいと思います。 ○議長(八江利春君) 松田議員-49番。 ◆49番(松田正民君) なかなか難しいというのは、中期経営計画、営業方針というものを執行部の方からもお示しをしていただいて、説明も受けましたけれど、例えば、債務返済に全力投球でしょう。5年間は徹底したリストラということでありますけれども、リストラをどのように具体化しようとしておるのか。 それと不動産です。同僚議員からよく質問としてなされておりますけれども、諫早西部団地は6年目を目途に、それから、諫早西部団地を除く売却の分譲土地は3年間を目途に、早期に販売を完了すると、こう断定的に書いてあるわけです。果たしてこういう不動産などという処分ができるのか。断定ですよ。そういうことを考えた時に、私は心配なんです。本当にできるのかどうか。 最終的には、そのツケが県民に返ってくるんじゃないかと思うけれど、最初の1回目、当然出てくると思います。県民に対しての税金のツケというのが、何億円か、何十億円か入ってくると思うんだけれども、その後においても、県民に対しての負担というものは重なって、かかわってくるんじゃないかと、そういう感じがするんです。それはどうなんですか、知事。 ○議長(八江利春君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 再建計画の内容を見ていただきますと、今売れ残っている住宅の分譲についても、全体的に思い切った値下げをして、そして販売可能な数字を出させていただいております。それから、実は、賃貸事業で入ってくる収入というのも固定化されております。 今回の再建計画の仕組みというのは、キャッシュフローで入ってくる金を前提としての調停の中身になっているわけなんです。だから、キャッシュフローがどういう前提でなされるかということを厳しく第三者機関に詰めていただいている。その数字の上に立って、根拠に立って今回の再建計画をつくっておりますから、あとは、その再建計画に乗って、ちゃんとした販売をやっていければ可能性がある前提の中でのスキームということで、もう一度、内容をよく見ていただきたいと思います。 ○議長(八江利春君) これより、関連質問に入ります。 田口議員-46番。     〔関連質問〕 ◆46番(田口一信君) 松田議員の質問にありました市町村合併のことに関連して質問をいたします。 その前に、本日、「対馬市」及び「壱岐市」が合併によりめでたく誕生しましたことを、心からお祝いを申し上げますとともに、両市の一層の発展をお祈り申し上げます。 先週の金曜日、2月27日に、川棚町議会の臨時議会が開かれまして、昨年の秋に出されて継続審議となっておりました、住民投票を請求する請願及び合併協議に戻ってほしいという陳情が不採択と決定されております。 その審査に当たりました合併特別委員長の報告の中で、町長の考え方が明らかにされております。その町長の発言というのは、おおむねこういうことだと思います。「川棚町としては、現在の協議会を一たん離脱して、合併協議の内容を再検討したい。建設計画についても、特例債頼みの事業は極力抑制したいとの考え方のもとで再検証したい。平成17年3月には間に合わないかもしれないが、合併特例法の改正案を考慮に入れながら、あと1年協議を続ける猶予があるので、ほかの2町にはいましばらく待っていただきたい」、こういう考え方が示されたことが、委員長報告でなされておるわけでございます。 この町長の発言をそのまま聞くと、合併に前向きのように受けとられますが、しかし、そういう考え方をするのであれば、離脱はしなくてもよいのではないかというふうにも考えられますし、いま一つ町長の真意がわからないような感じがいたします。 本当に川棚町長が言われるように、現在の協議会を一たん離脱した後でも、合併特例法の期限内に合併を実現することが可能なのか、どうなのかということをお聞きしたい。もちろん、そうしようと思えばできるとは思うんですけれども、どうなのかということをお聞きしたいと思います。また、こういった発言、あるいは町長、町議会の対応について、どういう見解を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。 ○議長(八江利春君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(横田修一郎君) 現在、合併特例法の改正が検討されておりますが、その内容を申し上げますと、現行法の期限である平成17年3月末までに関係市町村の合併議決を経まして、県への廃置分合申請が行われた場合に限りまして、準備期間として1年間の経過措置が設けられるということになっております。 したがいまして、あくまでも平成17年3月までにはすべての協議が完了いたしまして、合併が決定していることが必要でございますので、残る期間は1年でございますから、そんなに時間的余裕があるというものではございません。 仮に、現時点で一たん離脱しますと、その後、協議会に復帰して、改めて合併協議をはじめるということになるとしましても、復帰するまでの手続、あるいは協議のやり直し、こういったものにかなりの時間を要するということになりますと、経過措置があったとしても、極めて合併というのはどうだかという心配が出てまいります。 また、これまで関係市町村がお互いに相手の立場も考えながら、期間をかけて進めてきた協議会でございますので、一時的とはいえ離脱するということになりますと、相手の信頼感を著しく損なうと、こういうことにもつながりかねませんし、再び信頼を取り戻して協議をはじめるということになるのは、大変厳しくなるのではないかと思います。 そういったことで、協議内容に不満があるとすれば、離脱をするのではなくて、現在の協議会の中で十分話し合いをしていただいて、よりよい結論を出していただくことを期待したい。そういう意味でも、この残された期間内に、より内容を詰めていただくことが非常に大事ではないかというふうに思っております。 ○議長(八江利春君) 田口議員-46番。 ◆46番(田口一信君) 現在のようなもやもやした中では、どうも納得がいかないので、もう住民投票で決着をした方がよいのではないかという考え方のもとに、そういう準備をしようという住民の動きもあるところでございます。 いずれにしろ、3町納得ずくで解決のいくようにということで、今、取り組まれておりますし、私もそうやっておるところですが、どうぞ県の方もよろしくご指導方をお願いします。 以上で終わります。 ○議長(八江利春君) 馬込議員-31番。     〔関連質問〕 ◆31番(馬込彰君) 松田議員の離島医療の支援に伴う医師の確保について、関連してお尋ねいたします。 これまで、県が行ってきた離島における医師不足対策については、すばらしい支援をいただいていますことに対して、離島の議員として感謝いたしております。 これまで、本県が取り組んできました離島医療に対する支援策は、全国でも非常に評価の高い離島医療圏組合制度、あるいは急患ヘリ、遠隔地医療の画像伝送システムなど、あるいは医学修学生の資金貸与条例など、自治体における支援の限界を超えているんじゃないかというような支援をいただいておるわけであります。 県内においては、離島だけでなく、過疎地においても、医師不足の現実は非常に厳しいわけであります。 このような中で、昨年からいろいろと報道されております、大学の医学部の医局に対する協力金の問題など、犠牲者まで出ている、そのような非常に厳しい現実があるわけであります。 そのような中で、今回、来月から臨床研修制度が義務化されていくと。研修医の力に負うところもあったわけでございますけれども、それが全くあてにできないと。我々医療にお世話になる立場からいえば、安心できる医師の養成という点では、非常に評価できるのではないかと思うのであります。 しかし、そのような制度をいろいろ改革してみても、地方医療の中で、離島とか、あるいは過疎地における医療の問題というのは、ますます深刻さを増しているような感じがするわけであります。 それは、医師が養成された後の問題ばかりを常に議論されている。私は、むしろ医師養成期間、医学部の6年間の中において、地方医療、あるいは離島・へき地医療等々に対する教育が不可欠ではないかというふうに思うわけでありますけれども、今回の医療制度改革に伴って、医者の養成期間における課程の中に、そのような地方の声を反映させるような動きというものを考えておられないのかどうか、そのことについてお尋ねいたします。 ○議長(八江利春君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(塚原太郎君) 離島の医師確保のお尋ねでありますけれども、離島・へき地の医師を確保するためには、卒前、卒後を通じまして、医学生や若い医師に対して地域医療の重要性というものへの認識を深めていただくという取り組みが非常に重要だと私も思います。 このため、先ほど松田議員にご答弁いたしましたように、来年度から、長崎大学に寄附講座を開設していただきまして、その中で、大学5年生と聞いておりますけれども、医学部学生に離島医療実習を行っていただくというような取り組みもスタートするというようなことを考えております。 また、ご指摘がありましたように、臨床研修制度が必修化されますけれども、その中で、従来、大学だけで臨床研修をしていたものが、地方の病院でありますとか、あるいは地域医療の現場に行くような実習も含まれてくるということで、そういった取り組みもこれから一生懸命していかなければいかぬと、こういうふうに思っております。 さらに、最近の動きとしましては、総務省、文部科学省、厚生労働省の3省が、地域医療の医師の確保について、一定の方向性を出しておりますので、そういったことも踏まえて私どもも対応していきたいと思っておりますが、その中で、具体的には、地方レベルで関係者の協議会をつくって医師の確保について検討していくとか、あるいは、大学における医師養成過程における地域医療の教育と、こういったものも踏まえて提言されておりますので、今後、こういった地方レベルの協議会の設置に向けて、関係者とも協議をしたいと思いますし、国への働きかけというものについても検討したいと存じます。 ○議長(八江利春君) 佐藤議員-29番。 ◆29番(佐藤了君) (拍手)〔登壇〕佐藤 了でございます。 自由民主党所属でございまして、本壇上に一般質問に立ちますのは、ちょうど5年ぶりに当たりまして感慨深いものがございますけれども、質問通告に従いまして、順次お尋ねをさせていただきます。 知事はじめ、関係理事者の簡略で明快なご答弁を求めたいと思います。 1、電子県庁・電子自治体構築と地場IT企業の振興について。 この問題は、さきに同僚議員より質問がなされ、一部重複するところがございますが、視点を変えてお尋ねいたします。 今、日本全国の自治体で電子県庁化への取り組みが進んでおります。これは、好むと好まざるとにかかわらず、行財政改革を進め、効率のいい自治体づくりのためには避けて通れない問題であります。 私は、先般、電子県庁の先進県と言われております岐阜県を視察してまいりました。 簡潔に申しますと、岐阜県では、県庁の主要な情報システムの構築、運用をまとめて、複数年で外部に委託する「岐阜方式」とも呼ばれるような手法で、電子県庁の構築が進められております。岐阜県の場合、120件の情報システム化の開発・運用を一括してアウトソーシングしており、2001年度から7年間で約115億円の契約と言われ、そのほか電子県庁サービス提供事業として約33億円と言われます。 一方、本県では、これと反対に県自身の手でシステム開発を進める、いわゆる「長崎ITモデル」を導入して、電子県庁の構築が進められております。 そこで、お尋ねいたしますが、電子県庁構築事業も2年目を迎えようとしている現在、コスト面など、その成果について現状をどのように評価しておられるのか、ご説明をいただきたい。 電子県庁と同様に、電子自治体構築に県内IT企業が大きな役割を担いながら、システム開発を進めていく必要があると考えます。 しかし、市町村は、人材面などで県とは大きく状況が異なっており、長崎ITモデルのような方式での電子化を進めることが難しいと思うが、この点をどう認識しているのか。 また、今後どのように進めていく考えなのか、お示しいただきたい。 2、三位一体の改革と市町村合併、あわせて政策評価について。 「経済、財政運営と構造改革に関する国の基本方針2003」においては、3つの宣言、7つの改革の中で、国と地方の改革が挙げられております。 三位一体の改革の本県財政への影響などについては、この本会議場でもう既に論議がなされておりますが、いよいよ目前に迫った本県の県下市町村合併にとりまして、どのような影響があるのか。 また、金子県政の目玉として取り組んでおられます政策評価制度との関連など、要点を絞ってお尋ねをいたします。 第1に、本県では、全国に先駆けて市町村合併が進んでおります。合併後の新市町は、今後、おのおのの建設計画に沿って各地域の振興を目指し、県は、「長崎県合併新市町支援行動計画」によって積極的に支援していくと聞き及んでいるが、今回の三位一体の国庫補助金や地方交付税の大幅な削減による影響はどうなるのか。 また、その性格は、果たして本当に合併後の新市町の自主、自立につながるものであったのか。今後の新市町への影響と、その対策についてどのように認識し、今後どのように市町村への情報提供や助言、指導を行っていくのか。 特に、合併特例法の期限を間近に控え、合併の枠組みが流動的な地域もあるようだが、こうした地域の市町村では、今回の三位一体の改革をどのように受けとめ、住民に対し将来展望を考えているのか、非常に危惧するところであります。 ちなみに、大分県では、新たに誕生した広瀬知事のもと、市町村合併を促すための対応が実に明確であります。 長崎県は、こうした地域に対する県としての今後の対応はどうしていかれるのか、知事のご見解を改めてお聞かせください。 次に、三位一体の改革が進められると、従来のように右肩上がりの経済財政状況を前提とした事業展開は困難であります。必然的に事業の重点化が求められる。県は、政策評価制度を実施しているようだが、今後、この制度をどのように活用していくかが重要になると思われる。今後の事業の重点化に向けた制度の具体的活用について知事の見解をお聞きしたい。 3、長崎港のウォーターフロントの再開発について。 県都であります長崎市は、これまで造船、漁業、観光を基盤産業として取り組んでまいりました。しかしながら、今日では、そのいずれもが厳しい状況で、経済的には、長崎市は大きく地盤沈下いたしております。 人口構成から見ても、また、担税率から見ても、まずは県都である長崎市が活性化することが、県政にとって第一歩であります。 本年3月には、いよいよ「ながさき出島道路」が供用開始となり、平成18年には「女神大橋」が完成の運びとなります。 長崎市は、平成17年を新しい観光長崎のスタートと位置づけております。県外から高速道路を走り、オランダ坂トンネルを抜けると、そこには「水辺の森公園」があらわれ、その先には、長崎の港が姿を見せる。長崎は21世紀のスタートを観光にかけております。 かつては、漁業基地であった長崎の港が、これからは、観光の発信基地として大いに期待されるところであります。 観光立県を目指し、努力されている知事の取り組みは高く評価いたすところでありますが、観光に再起をかける港長崎のウォーターフロント開発に、これからどう取り組まれるのか、知事のご見解をお聞かせいただきたい。 4、県衛生公害研究所問題について。 この問題につきましては、本員が議会在籍の平成10年第2回定例会において質問をいたしましたが、いよいよ平成19年4月、大村ハイテクパークに新しく新設されることになったとお聞きいたしました。改めまして、県政の取り組みに期待をいたすものであります。 今日、我が国におきましては、平成7年のサリン事件、平成8年の大阪府堺市におけるO-157による感染症の大流行、平成10年の長崎市における821人に上る赤痢の集団発生、和歌山県のカレー毒物混入事件、平成13年、21世紀の幕開けの年のアメリカ同時多発テロに続く炭疽菌事件、平成15年の新型肺炎SARSの世界的流行、そして、今日では鳥インフルエンザが世界的に発生し、人への感染、さらに人から人への感染が危惧されております。夏場には、アメリカ等で流行している蚊が媒介するウエストナイル脳炎が日本に侵入してくるのも時間の問題と言われております。 このように、近年は、未知の新しい病気の出現や昔の病気の再流行といった、何とも物騒な世の中になってきているように感じられます。 このようなことをできる限り解決するには、そのもととなる生物、または物質、あるいは状態等を明らかにし、その原因を突きとめていく作業がどうしても必要になってくる。要するに、調査、研究、試験、検査というものが欠かせないと思われます。 本県の衛生公害研究所が、このような意味で、現在まで本県の保健衛生行政及び環境公害行政の化学的、技術的中核機関として、県民の健康保持と生活環境の保全に寄与していることと拝察します。 私は、過去この研究所を訪ね、また先般もお訪ねいたしましたが、その施設の古さと狭さに今さらながら驚かされたものであります。 改めて、この研究所が、全国の衛生公害研究所の指導的立場に立てるように発展し、また、特に、さきに述べた事例のような問題に対処する健康危機管理という観点からも、この研究所の充実を希望するものであります。 そこで、新研究所建設に対し3点お尋ねいたします。 第1点は、研究所のスペースについて。 先ほど述べましたように、現在の研究所はいかにも狭い、もちろん新研究所は今と同じ広さではなかろうと思うが、えてして行政が建築する時は、どうしても財政的制約があり、余分なスペースを確保しようとはしない傾向にあります。それはそれで理解できるのだが、化学的、技術的中核機関と位置づける研究所の場合は、特に、今は想定されない新たな設備、検査設備というものが要求されるようになることが予想される。その時にスペースがないでは、時代の進歩に取り残され、ひいては県民の安全に万全を期すことができなくなってしまう。野放図にというわけではないが、建設当時には使用目的のない余分なスペースを確保しておくべきと思うが、いかがか。 第2点、人的体制について。 おそらく新しい研究所は、保健衛生分野や環境分野等を含めて、いろいろな分野で、今以上に専門性が要求され、職員の質と量の充実が必要になろうかと思います。 また、最近のように新しい事態が頻発するようでは、その対応にかなりの労力が割かれることが同じく予想されます。 人の問題も財政上非常に大きな負担だろうと思いますが、現時点での考えをお示しいただきたい。 第3点、バイオハザードについて。 前段でも指摘いたしましたように、国際交流の活性化、あるいは人、物と言わず大量輸送時代の今日、汚染・感染の脅威は、我々の想像以上でありましょう。 このような時代、新興、あるいは再興感染に取り組む第一線の職員や周辺への感染を防止する、いわゆるバイオハザード対策は、より一層重要視されなければなりません。 衛生公害研究所は、感染症対策の化学的裏づけを行い、保健所職員等の研修を行う必要が生ずるものと考えられる。このために、真に専門性を有する職員の確保が必要であり、いわゆる感染症の危機管理体制整備が早急に必要であると思うが、見解をお示しいただきたい。 5、薬物汚染の現状と防止対策について。 政府が、戦後第3期の覚せい剤乱用期の到来として、内閣総理大臣を本部長とする「薬物乱用防止新5カ年戦略」を打ち出したのは、平成9年でありました。 当時の覚せい剤による検挙数を示しますと、約10年間で最も検挙数が多かった平成8年、平成9年は、いずれも1万9,000人を超える数でありました。特に、高校生の検挙は、平成8年に214名、平成9年には219名に上っております。以来5年、現在は、数字の上では検挙者の数は減少していますが、実際は巧妙に幅広く蔓延し、家庭の主婦や、特に、青少年の乱用が社会問題として、さらにクローズアップされております。 先般、テレビ等で大きく報道されておりました、麻薬の一種であるMDMAを高校生が学校内で販売したという事件は、社会に大きな衝撃を与えました。平成15年のMDMAなど、錠剤型麻薬の押収量は過去最高の38万5,000錠、MDMAによる検挙人員も256名に上っており、特に、青少年への汚染は深刻な脅威となっております。 警察本部長にお尋ねしますが、本県での青少年や一般市民への薬物汚染の実態はどのような状況であるのか、検挙状況、乱用防止対策などを含めご説明いただきたい。 あわせて教育長にお尋ねいたします。 全国的に中・高生への深刻な薬物汚染が進む中、本県教育委員会として、学校現場、また児童・生徒へどのような指導対策をとっておられるのか、ご説明をいただきたい。特に、取り締まりに当たる県警との連絡はどのようにとっておられるのか、具体的にご説明をいただきたい。 6、教育問題について。 国におきましては、我が国の教育の根幹をなす「教育基本法」の改正が山場を迎え、論議が交わされております。 ご承知のように、昭和22年に公布されましたこの「教育基本法」は、その要旨に指摘されてありますように、「教育が、何よりもまず人格の完成を目指して行われるべきものであることを宣言した」とあります。そして、その後段には、「しかしながら、この『教育基本法』を運用し、真にこれを活かすものは、教育者自身の自覚と努力である。教育に当たる者は、国民全体に対する深い責任に思いをいたし、この法律の精神を体得し、相ともに熱性を傾けて、その使命の達成に遺憾なきを期すべきである」と明記されてあります。 敗戦の混乱の中においても、これからの日本の再興にとって、いかに教育が必要、大切なものであるのか、教育上の基本原則を明確に示したものであり、それを実践、指導すべき教育者へ極めて高い道徳観を求めたものであります。 顧みて我が県におきましては、県が掲げる教育方針の中で、「特に、教育に携わる者は、その使命感に徹し、みずからの識見を高めるとともに、深い教育愛とすぐれた指導力を身につけ、相和して本県教育の充実、発展に努める」と高らかにうたってあります。 しかし、我が県の教職者の現状はいかがでありましょうか。私が確認した昨今の教職員の不祥事事件は、平成13年、平成14年、平成15年の3年間を見ても、わいせつ行為、交通事故、体罰など20件に及び、なおかつ教師の学力不足が目立ち、指導を余儀なくされた教師は、平成5年だけで4名いたとのことであります。おそらくこれらは氷山の一角であり、まだまだ潜在的には多くの問題を抱えていることと思われます。 そこで、教育長に率直にお尋ねをいたします。 県の教育方針でも、「教育に携わる者は、その使命感に徹し、みずからの識見を高める」とあるが、それに反するこれら問題教師が、絶えることなく出てくるということは、どこに原因があるのか。 また、これら問題教師の処分については、過去3年間で懲戒免職者は1名のみ、あとは減給、停職、戒告と、まことに温情的な処分でありますが、これの判断はどこで決定されるのでありましょうか。 次の質問でありますが、昨年12月の新聞に、次のような記事が載っておりました。「公立高校教職員4割超がやめたい」、その理由として、「やりがいがないが2割」と驚くべき記事が載っておりました。これは93校、1,200人を対象にした県高教組が行ったアンケート調査であります。 私は、この新聞記事をもとに質問をいたしておりますので、詳しく調査データを確認いたしておりませんが、少なくともこの記事に間違いがないとすれば、本県の公教育にとって大変な問題提起がなされていると思うが、教育長のご見解をお聞かせいただきたい。 最後に、ジェンダーフリー思想についてお尋ねいたします。 昨年、国会においても取り上げられましたこジェンダーフリーについてでありますが、まずジェンダーフリーについては、教育長をはじめ、関係理事者は先刻ご承知でありましょうが、より理解を深め、質問を簡潔にいたすために資料の一文を引用いたし、ジェンダーフリーの語源についてご説明します。 「ジェンダーフリーとは、一体何なのか。字引にはない、これは日本の過激なフェミニストの造語だという。米国などでは、一般的な男性、女性という性別の意味で『ジェンダー』という言葉を使っている。そこで過激派たちは、『ジェンダー』を社会的、文化的につくられた性別という勝手な定義をつくり、それを解消するという理屈から、『バリアフリー』になぞらえて、『ジェンダーフリー』という用語をつくり出したようだ」、これは石井英夫氏が書かれた文章の中より取り上げました。 この思想が全国に広がり出したきっかけは、平成11年にできた「男女共同参画社会基本法」が制定されて以来と言われ、もちろん私は、この基本法を否定するものでは毛頭ありません。しかし、一部の教育現場では、この基本法を利用し、男女の役割分担を否定する男女混合名簿の問題をはじめ、多大の悪影響、混乱をもたらしております。(発言する者あり)時間の都合上ここで他県における事例は割愛しますが、このジェンダー思想について、教育長はどのようにとらえておられるのか、考えをお示しいただきたい。 また、県下各地の教育現場に隠されたカリキュラムとして浸透していないか、事例があれば、お示しいただきたい。 なお、詳しくは教育長の答弁をお聞きした後、自席より再質問をさせていただきます。 以上をもちまして、本壇よりの質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(八江利春君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕佐藤議員のご質問にお答えいたします。 電子県庁についてのお尋ねでございますが、岐阜県の取り組みは、議員ご指摘のように、行政側でシステムの開発、運用を一切行わずに、サービスを購入するという新しい方式を導入しまして、民間活力を利用し、行政サービスの質を確保しながら、コストの総額を抑制しようとする取り組みと理解しております。 しかし、この方式では、一定のコスト削減が可能になる反面、規模が大きくなることによりまして、中央の大手メーカー中心の競争となり、県のIT需要に対して地場企業が供給主体になることが難しいという問題が生じるのではないかと考えます。 そこで、私ども本県では、業務を熟知している県側で仕様書を細かく作成するなどの独自の方法によりまして、電子県庁の構築を現在進めております。 この結果、県内多くのIT企業に直接参加していただくことができるようになりました。一つ一つの発注額は、現在では決して大きな金額ではありませんが、これらは大きな第一歩だと考えております。 また、費用面についても、本県独自の開発方式の導入によりまして、他県と比較いたしまして、大幅なコスト削減となっております。全体では、通常の発注を行った場合の約半分程度に抑えることができるものと考えております。 具体的には、平成14年度から平成16年度において、電子決裁、電子申請等の開発費で約10億8,000万円、平成17年度から平成20年度におけるこれらの運用費で約7億2,000万円、合計で約18億円程度のコスト削減となるものと考えております。 次に、電子自治体構築の推進に当たり、市町村の状況をどう認識し、どのように進めるかというお尋ねでございますが、市町村におきましては、ITに詳しい専門的な知識を有する人材が必ずしも確保されているとは言えないことなどから、電子自治体システムを各市町村が独自に開発、運用していくことが困難な状況にあります。 このため、コスト削減とあわせて、技術面や人材面の問題を解消する手段として、システムの開発、運用を外部の専門機関に共同で委託することが必要となっていますが、大規模なシステム構築を伴うことから、従来の方式では、中央の大手メーカーに任せてしまい、電子自治体構築という地域のIT需要に対して、地場企業が供給主体になることができないということになります。 そこで、県下で市町村合併への取り組みが積極的に進められている中で、県庁が先行いたしまして開発しました電子県庁システムを活用することによりまして、人材面などの問題を克服しながら、地場企業も参加できる共同での電子自治体の構築手法について、現在検討を進めているところであります。 次に、三位一体の改革による県下市町村への影響についてのお尋ねでございます。 三位一体の改革初年度である平成16年度は、地方交付税及び臨時財政対策債が、前年に比べまして12%減額されるなど、極めて厳しいものとなっております。とりわけ、税源に乏しく、地方交付税等に多くを依存した本県市町村にとりましては、その影響も大きく、平成16年度当初予算編成における財源の不足総額については、各市町村に照会いたしましたところ、暫定予算となる対馬市、壱岐市を除きまして484億円で、そのうち地方交付税及び臨時財政対策債の削減による影響額は209億円に上る見込みであります。 その結果、歳出の大幅な見直しや基金の取り崩し等による対応を余儀なくされ、予算編成に大変苦慮されている状況にあります。 なお、平成17年度以降も引き続き、このような財源不足の状況が予想されております。 三位一体の改革に関し、合併後の新市町に対してどのような助言を行っていくかというお尋ねでございますが、合併した新市町においては、合併に伴い行財政面でのスケールメリットが活かされるとともに、合併特例債や普通交付税の合併算定がえなど、さまざまな財政支援措置が活用できますが、三位一体の改革によって今後の地方財政はますます厳しくなることが予想され、新市町にあっても、これまでの歳出や行政システムの見直しなど、徹底した行財政改革が必要であると考えます。 県といたしましては、新市町における建設計画に基づいた産業の振興及び生産性の向上、雇用の創出、あるいは真に住民サービスの向上に資する効果的な事業などが円滑に実施できるよう支援するとともに、地方分権時代にふさわしい自立した自治体となるよう行財政全般にわたりまして、助言をしてまいりたいと考えております。 次に、合併枠組みが流動的な地域に対する県としての対応についてのお尋ねでございます。 議員ご指摘のように、最近、一部の地域で合併協議の最終段階において、突然離脱したり、また、解散したりする動きが出ておりますが、市町村合併は、関係する市町村や地域住民の信頼関係が最も重要であり、どういう理由があるにせよ、一方的に協議をやめることは、お互いの信頼を損ない、将来いろいろな面で支障が出てくるのではないかと危惧をしております。 市町村を取り巻く行財政環境は、予想をはるかに超えて、ますます厳しくなっておりまして、小規模市町村にとって市町村合併は、もはや避けて通れない状況にあると思われます。 合併しない、あるいは枠組みを見直すこととされた市町村におかれましては、いま一度、厳しい現状を認識していただき、地域の将来を考え、行政、議会、住民の皆さんが真剣に話し合って、一日も早く関係市町村との協議を進めていただきたいと思います。 県といたしましては、法期限内に合併が実現できるよう、今後とも全力を挙げて支援してまいりたいと思います。 次に、今後の事業の重点化に向けた政策評価制度の活用についてのお尋ねでございますが、政策評価については、県が行う事業の成果目標を具体的に設定し、その達成状況を検証していくことで、絶えず事業の自発的な見直しを進める仕組みとして、平成13年度から導入しまして、県民の視点に立った効率的で質の高い行政の実現を目指しまして、積極的に取り組んでまいりました。 議員ご指摘のように、三位一体の改革が進められ、本県の財政状況が一段と厳しくなる中で、県の事業を生産性や県民所得の向上、県民生活に密接にかかわる効果的な事業に重点化していくことが求められておりまして、職員一人ひとりが政策評価を通じて、あらゆる事業を見直していくことが、これまでにも増して重要になってくるものと考えております。 このため、昨年7月、「平成16年度行財政基本方針」において、政策評価を活用いたしまして、既存の施策や事業の積極的な見直し、改善を行う方針を示しまして、その後の継続事業にかかる途中評価等において、多くの見直しを行ったところであります。 今後とも、同様の趣旨を庁内に徹底するとともに、評価結果の公表や県議会への報告、予算編成への適切な反映などを行いまして、政策評価制度の有効活用を図ってまいりたいと存じます。 さらに新年度においては、外部の専門家等の意見もお聞きしながら、本県の政策評価制度の仕組みや公表の方法などについて、改めて点検を行い、制度のさらなる充実、活用を目指してまいりたいと存じます。 次に、長崎港のウォーターフロント開発についてのお尋ねでございます。 私は、そのまちが魅力ある観光地であるためには、そこに住む人々が生き生きと暮らし、また、訪れた人々もそこに住みたくなるようなまちにすることが大切であり、この意味から、「観光振興は、まちづくりから」という考え方を柱にいたしまして、各種事業や新たなシステムの構築に取り組んでまいりました。 魅力あるまちづくりを推し進めるためには、統一的なコンセプトに沿って、一貫した事業展開が何よりも重要なことから、私は、国の「都市再生戦略チーム」の座長を務めておられる伊藤 滋先生を中心に、日本を代表する専門家からなる「アーバンデザイン専門家会議」を立ち上げまして、まず、モデル的に長崎港周辺の土地再生に取り組んでいるのをはじめ、全国に先駆けた特色ある施策を盛り込んだ、「美しいまちづくり推進条例」を新たに制定しまして、県内各都市の特色と魅力を引き出すための事業を積極的に支援しているところであります。 特に、長崎市につきましては、港から生まれ、港とともに栄えてきたのにもかかわらず、これまで港やウォーターフロントを魅力あるまちづくりに十分活かしておらず、市民や観光客が港に近づいて水辺の雰囲気を楽しみ、憩うことができる空間がなかったというのが実態だと思います。 このため、私は、これからの長崎市のまちづくりにとって、港を臨むエリアに長崎の新しい顔となるような魅力ある場所をつくり出すため、今日まで全力で取り組んできたところであります。こうした努力は、今一つずつ実を結びつつあります。 今月の27日には、海を臨む広大な「大地の広場」や、水のせせらぎを楽しめる「水の庭園」など、運河沿いの木陰の散歩道からなる「長崎水辺の森公園」が全面開園いたします。 この公園の一角には、公園の緑や運河の水辺と一体となった新しい美術館の建設が来年春のオープンを目指して着々と進んでいます。 この美術館が完成すれば、その魅力的な建築デザインと国際的な水準の美術展の開催などと相まって、県民、市民、内外の文化・芸術愛好家の皆さんの交流の中心になっていくものと期待をしております。 また、この公園や美術館から一望できる長崎港の入り口には、港のシンボルとなる女神大橋が、2年後の完成を目指して建設中でありまして、長崎港の夜景を演出するためのライトアップも現在計画をいたしております。 さらに、臨海部の回遊性を高めていく取り組みといたしまして、将来的には、常盤・出島地区から長崎漁港区域、稲佐橋を経て対岸の丸尾地区に至る長崎港を囲んだプロムナードを、旭大橋の平面化も視野に入れまして、整備していきたいと考えております。 しかも、県民や観光客の利便性を高めるため、高速道路から長崎都心部へ直接乗り入れることができるように推進してまいりました九州横断自動車道の長崎-多良見間及びながさき出島道路が、来る3月27日には完成いたします。 このように、県都長崎市の再生は、長崎港常盤・出島地区を中心に大きく進展してきており、今後とも、県民や観光客の方々が歩いて楽しめるルートづくりなど、港を活かしたまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。 ○議長(八江利春君) 政策調整局長。 ◎政策調整局長(立石暁君) 新しい衛生公害研究所の整備についてのお尋ねでございました。 新しい衛生公害研究所の整備につきましては、来年度の予算案に設計費等を計上いたしまして、今議会にお諮りをしているところでございます。 新研究所の整備に当たりましては、民間の検査機関等に外部化できる業務は、可能な限り外部化をいたしまして、大村湾等の環境修復など地域課題の解決、あるいは新しい産業おこしなどに貢献できる研究に重点化していくということにしておりまして、そのために必要かつ適切な施設面積を確保してまいりたいというふうに考えております。 具体的に申しますと、現在の施設は、延べ床面積が4,700平方メートル、(発言する者あり)大変狭くて、しかも、2つの建物に分散しておりますので、使い勝手の悪い施設になっております。 今回、新しい整備を機会にしまして、床面積は大体1割ぐらいの増になるかと思います。1つの建物に集約をいたしまして、業務の効率化を図ってまいりたいというふうに考えております。 設計に当たりましては、将来、新たな課題が発生しても、これに柔軟な研究体制が組めるように、研究室とか、実験室の間仕切りの変更を容易なものにしていきたい。それから、増築などの必要性にも対応できるように配慮してまいりたいというふうに考えております。 それから、人材確保など研究体制についてのお尋ねでございました。 先ほど申しましたように、今後は専門性の高い研究分野に重点化を移していくことになりますので、その際、大変重要になってまいりますのが、研究員の資質、能力の向上を含めた研究体制の整備ということでございます。 そのため、研究業務の企画調整を行う課というのを新たに設けるなど、産学官連携による研究を進めていくための組織体制をそういうふうに見直してまいりたいというふうに考えております。 それから、研究制度の拡充、あるいは大学など他分野との連携、交流を深めるとともに、任期付の研究員をはじめ、外部人材の活用等についても検討してまいりたいと存じます。 それから、3点目にバイオハザードの対策についてのお尋ねでございました。 近年、SARS、あるいは鳥インフルエンザ等新たな感染症が発生しておりまして、検査機能の高度化とあわせまして、安全性の確保というのが強く求められておりますので、新しい研究所の整備に当たりましては、これら新たな感染症に対応できる、より安全性の高い実験室、いわゆる「P3」と呼んでおりますが、P3施設を整備しまして、バイオハザード対策には万全を期してまいりたいと存じますし、職員の危機管理体制の強化についても、体制づくりをしっかりとしてまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 警察本部長。 ◎警察本部長(出原健三君) 薬物汚染の現状と防止対策についてのお尋ねでございますが、まず、平成15年中の県内における薬物事犯の検挙状況でございますが、覚せい剤や大麻取締法違反などで合計105人を検挙しております。 その内訳について申し上げますと、全検挙者のうち80人が会社員、工員、無職者等でありまして、その中には少年5名が含まれております。 なお、残り25名が暴力団の構成員でありますが、依然として暴力団が薬物密売の中核的存在となっていることがうかがわれるところであります。 近年、全国的に押収量が急増しております合成麻薬のMDMA等錠剤型麻薬につきましては、県内では、平成14年に12錠、昨年は1錠を押収しているところでありますが、本県での少年によるこの種事件の発生・検挙は、現在までございません。 次に、こうした現状を踏まえた防止対策につきまして、特に、少年を対象とした対策について申し上げますと、1つは、児童・生徒等を対象とした薬物乱用防止教室の開催、中・高校生から啓発ポスターや標語を募集しての薬物根絶意識の醸成、さらには街頭補導活動等を通じた早期発見補導活動などを行っているところであり、今後とも、これら活動を強力に推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 教育長。 ◎教育長(木村道夫君) 学校での薬物汚染防止の取り組みに関してお答えをいたします。 昨年7月、国におきまして薬物乱用の根絶を目指しました「新5カ年戦略」が策定をされましたことを踏まえまして、県内の学校におきましては、先ほど警察本部長からもご紹介がありましたけれども、薬物乱用防止教室の開催、あるいは教師の指導力を高めるための研修会等々をはじめ、学校教育活動全体を通して、薬物乱用防止教育の徹底を図っているところでございます。 もとより、これらの取り組みを進める上では、警察本部との連携、あるいは指導、協力をいただくということが欠かせないことでございますので、今後とも、県警察本部との連携を一層密にしながら、児童・生徒の薬物汚染は絶対にあってはならないという強い意識を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。 それから、教育問題に関して数点にわたってのお尋ねでございますが、まず、教職員の不祥事対策等に関してお答えをいたします。 教職員には、当然のことながら、教育に携わる者としてのより高い道徳性、倫理観、社会性、そういったものが当然求められるわけでございますから、いろいろな機会を通して綱紀の粛正、あるいは服務規律の確保等について指導してまいっておるところでございますけれども、依然として不祥事を根絶できないことにつきましては、まことに遺憾な思いであります。教職員全員が気持ちを一つにして、この不祥事の防止を何とかなし遂げたいという思いの中で、昨年からは新たに校長、教頭を対象といたしまして、外部委託によります方式によって研修講座を開設しまして、民間企業における経営責任論をはじめ、従来とは異なる観点から、リーダーとしての資質の向上に努めておりますとともに、さらに、これまた昨年度から教職20年経験者、あるいは10年経験者という職員を対象として、企業における体験研修を充実させるなど、教員の社会性や倫理観の一層の向上を図っているところでございます。 1人の不祥事が、学校教育や、あるいは教職員全体への信頼を失ってしまうということを教職員一人ひとりに強く自覚をさせますとともに、厳正な処分をもって対応するほか、県民の不信感や批判を受けるような不祥事を危機管理の対象としてとらえまして、その意識の高揚に努めるなど、県民の信頼にこたえられる学校づくりを目指してまいりたいというふうに考えております。 それから、やりがいのない教育環境とは何かというような視点でのお尋ねでございましたけれども、職員団体がみずからの組合員等を対象にして、労働条件等の改善を進めることを目的として実施したアンケートにおいて、議員がご指摘になりましたような回答が見られたのでございますけれども、このことを受けまして、私は大変悔しい思いをしておりますし、まことに残念な思いでいっぱいであります。 私は、日ごろの学校活動を見ますときに、多くの教員は、生徒の進路指導のために熱意を持って、本当に積極的に取り組んでおりますし、「長崎ゆめ総体」におきます生徒たちのあのはつらつとした頑張りは、先生たちの努力があってこそのことであったと思っております。 また、これらのことをはじめ、スポーツや文化活動での活躍、さらに工業高校などの専門高校における生徒の国家資格の取得などにも大きな実績を上げているところでございます。 教育というものは、子どもたち一人ひとりが本来持っております資質、あるいは能力をしっかりと引き出して、強い志を持って将来を生きていく力をはぐくむ極めて大事な作用だと私は思っております。 そういう思いの中で、教員が職責に取り組み、県民の期待にこたえられるよう意識改革と資質の向上に努めてまいりたいと考えております。 ジェンダーフリーについてのお尋ねでございますけれども、議員がご指摘になるような該当事例は、本県の学校の中ではございません。ちなみに、「桃の節句」は女らしくとか、「端午の節句」は男らしくとかということが、いわゆる強制、あるいは性差の助長といった批判もありますけれども、これは日本古来の美しい伝統としてしっかり継承すべきものだと私どもは思っておりますし、(発言する者あり)何よりも家族間の情愛行為だというふうに思っております。 今後とも、そういう視点で、本県の男女共同参画社会の趣旨に沿って教育を進めてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 佐藤議員-29番。 ◆29番(佐藤了君) 再質問をいたします。 電子県庁について、資料もたくさん集めて勉強したんですけれども、はっきり申しまして、私は長崎県、特に、金子知事が、参事監を、中央から呼んできてやったと、高く私は評価をいたしております。 この長崎のIT産業の現状を見ると、知事も述べましたけれども、いわゆるある意味での戦国乱世みたいなもので、陣取り合戦をやっているわけで、県に企業が入ってくる。昔は人を配置して、そこで要するにいろいろなソースプログラムとか、通常の平面図程度のようなプログラムまで含んで、いわゆるブラックボックス化していって、それを自分たちのものとして押さえ込んでしまう。そのノウハウを、また他県でも売るというようなことで、企業はそういうやり方をやってきたわけです。 長崎のIT企業というのは、情報サービス業と言っているが、実際は大手の営業活動みたいな形しかなかったという壁を破ろうとした参事監の努力、私は評価をしておりますし、また、それを連れてきて、相当金額のかかるものをダイナミックに取り組ませた知事は、このことに関しては高く評価をしたいと私は思います。 それから、ちなみに長崎の現況をこの資料で述べておきますが、長崎のIT産業は、全国ではワーストワンなんですね。「平成14年度特定サービス産業実態調査」の資料がありますが、売上高といいますか、1人当たり年間売上高、長崎県の場合は997万円、全国の平均が2,613万円、隣の佐賀県でさえが1,000万円を超しているんです。長崎県は997万円と最低です。 なぜかと言いますと、(発言する者あり)これは簡単なことで、いわゆる長崎県のIT産業というのは系列化していって、大手にくっついたIT産業メーカーは仕事をもらえるけれども、それ以外は非常に苦労して受注をしている。佐賀県は商圏を福岡としておりますから、福岡に意外と直接重なって取ると。長崎県の場合は、それが系列化した中で取るから、よく言われるように、東京で200万円の仕事が、福岡県にくると100万円、長崎県にくると大体40万円ぐらいだと言われております。そういう状況を打破する意味でも、ひとつ大いに頑張っていただきたいというふうに思います。 これは最後の質問になりますが、もし時間がありましたら、後ほど一括して尋ねた後に答えていただければありがたいんですが、電子県庁・電子自治体の構築を進めるに当たって、ビジネスモデル特許を今出願されておられます。これもまた、大変努力のいったことと思いますが、その効果はどうなるかということ。 2点目は、昨日も末永議員が言っておりました助っ人、大変有能な活躍をしておりますが、この派遣は民間からの派遣と聞いておりますけれども、この人物が期限がきて帰る。長崎県の職員も相当教育をされたとは聞いておりますけれども、それが1~2年で帰ってしまった後の体制というのは大丈夫なのか、ちょっと不安を感じますので、そのことについてもご見解があればお聞かせをいただきたいと思います。時間があまりありませんので、先に進みます。 三位一体の改革と市町村合併、政策評価については、知事に大まかなご答弁をいただきました。了といたしたいと思いますが、ただ一つ、市町村合併についていろいろ問題提起、川棚町の問題もそうですけれども、問題を投げかけているところもあります。 そこで、私は先般、市町村合併をしない単独での生き残りをかけ、マスコミでも取り上げております福島県の矢祭町の状況を直接電話もして聞いてみました。少しここで読みますから聞いてほしいと思います。 「矢祭町、人口約7,000人、財政力指数0.22、平成13年度地方税収6億円を超える。しかし、人件費は8億3,000万円、町議会は18人の議員定数を一挙に10人に削減、町の試算では議員が8人減ることで年間2,890万円、1期4年間で1億1,570万円の削減、現在86人の職員だが、さらに5年間で職員数を70人台とし、住民交付など各種業務の外部委託を視野に、将来的には50人程度までスリム化する方針、町長、助役、収入役、教育長、約25%給与削減と、ここまで徹底して頑張っているが、これでも単独での行政運営は、将来的には難しいと言われております」。 しかし、ここまで徹底した自立への努力は傾聴に値すると思いますが、ところで、本県の市町村で単独自立を訴えるところで、これほどの努力をした町があるとは私は思えないんですが、もしあったらお示しをいただきたいと思います。 長崎港の再開発については、長崎は、港から発して、港からまた歴史を刻んでいったと、そういうことで言いますと、知事も先ほどいろいろお考えを述べておられまして、これも了としますが、これは長崎市との連携もありますし、長崎の港をまだまだ大事に使ってなかったという部分がありますので、今後ともひとつ長崎県の観光は基盤産業の一つでありますから、知事の一層の長崎市に対するお力添えを期待いたしたいと思います。 県衛生公害研究所につきましては、非常によくわかりました。どうぞ次の世代に常に対応できる体制づくりをしていただきたいと思います。 薬物汚染の問題は、常々言われていることですが、この問題に対する意識は意外と希薄でありまして、高校生のあの問題でも、どこか知らぬ県の知らぬ話じゃないかというような程度で受けとめられるところがあるんです。今後ともひとつ教育委員会も、警察本部長もそうですが、一致団結して、特に、青少年にそういう広がりがないように、ご努力をお願いいたしたいと思います。 それから、教育問題について、相次ぐ教職員の不祥事対策と処分のあり方ですが、私は、今回、文教委員会に所属するようになりましたので、文教委員会等でも論議をする機会があろうかと思いますので、教育長の答弁を了としておきます。 やりがいのない教育環境は、高教組の調査ということですが、新聞の後段に、「学校をやめたい理由で、やりがいがないが2割を占めたのは深刻」と書いているんですね。「勤務環境は豊かな事業を行えるかどうかに直結しており、教員を増やして30人学級を実現するなど改善策が必要としておる」。新聞に3段見出しで載っておるもんですから、よく見ました。しかし、どうでしょうか、今、民間の企業は、本当に疲弊して、会社をもたせるにはどうしていくかということでサービス残業もある、非常に厳しい時代です。民間の企業はそういうことですけれども、教育というのは、本来的には、「教育基本法」の一文を読みましたけれども、もっと真剣に、もっと誠実を込めて教育に取り組む必要があるんじゃないかと私は思います。 この豊かな授業を行えるのは、勤務環境を、こんなことを今ごろ言っているというのは、組合活動の一環と思えばさもありなんと思いますが、こういうことで教育に取り組んでいただいて、いい教育が逆にできますか、そういう疑問を非常に持ちましたので、いかに公立学校が今人気がなくて、私立に移ったかというのがよくわかるような気がいたします。 そういうことを含んで、今後の教育庁の努力に期待をいたしたいと思います。 ○議長(八江利春君) 答弁はいいですか。 ◆29番(佐藤了君) 答弁はまだいいです、最後までいきます。終わった後に時間がありましたら答弁をいただきます。どうせ中途半端に打ち切られるようでしたら、意見として述べておきます。 このジェンダーフリーの問題については、資料を私もたくさん集めました。これは同僚よりもらった「THEMIS」という雑誌の中のが一番わかりやすいので読みます。 「ジェンダーフリーや男女共同参画をなぜか『性別の撤廃』と曲解し社会秩序の崩壊を促す。エロ本を凌ぐ川崎市『性テキスト』の狙い」と書いてあるんです。ちょっと時間の許す範疇で読みますので、特に、教育委員会委員長は女性でありますから聞いてください。答弁は要りません。 「これを教材として書いた人は、何としてもこういう内容を学校で教えるべきだと信じて疑わないのでしょうが、公教育に使うことが適切かどうかを判断する責任は、教育委員会や校長にある。教育関係者は、このことを肝に銘じるべきです」と、まず前段に書いてあります。「文部科学省の幹部は、川崎市男女共同参画センターが高校生向けに発行した性教育テキスト『21世紀を生きるあなたへのメッセージ』の内容をこう嘆く。市内の複数の公立高校で、これが市職員による『出前講座』の教材に使われていた。正式な教科書ではないが、生徒にとっては、教室の授業で配布された教科書に変わりはない」、ここから本文に入ります。 「各地で、男らしさや女らしさを否定するジェンダーフリー教育が蔓延し、非常な性教育が学校現場を席巻している。中でも『21世紀を生きる云々』は、内容の妥当性、過激度でも際立つテキストだ。記述が性に関する部分となると独善はエスカレートし、教材として首をかしげたくなるものが増えてくる」。私は、ここで読むのも何となく心が引っかかるような感じの内容ですけれども、これは副教材になりましょうか、教材としてやった話ですから、あえて出させていただきます。 「例えば、『自分を好きになるセックスライフへの提案』というページがある。高校生が性行為に及ぶのを前提にしてはじまるこのページは、『セックスはインサートだけではない』と解説。アダルトビデオの情報を、男性中心の性のファンタジーを描いたものと戒め、セックスにおける男女平等を次のように提唱する。 女性が性的快感を得るところは、人によっていろいろですが、その中でも男性のペニスに当たるクリトリスが最も敏感と言われます。(中略)オーガズムに達するセックスを最高のものという思いが、セックスを貧しくしてきたと言えるでしょう。これに続くセックスは、『コミュニケーション』と題した項目で、さらに度が増していく。キスをしてお互いに抱き合ったり、手や指で性器を刺激し合うマニュアルセックスや、互いの合意があればフェラチオやクンニリングスと言われる、唇でペニスやクリトリスを刺激して快感を与えるオーラルセックスなど、多様な性的触れ合いの中で、快・不快をお互いに伝え合うことができれば、二人の納得がいくセックスができそうですね」、こう書いてあるんです。 「それから、自慰行為の記述にも目を疑う。まず、この行為は、自慰とか、セルフプレジャーと表現されることもありますが、このテキストでは、自分一人でする行為という意味で、シングルセックスという言葉を使いたいと思いますと、新しい言葉まで提唱する」。 中を飛ばしますが、「これまで、この性教育テキストを教材として使った授業は、公立高校5校で7回行われただけで、いずれも市の男女共同参画センターに『出前講座』を依頼した高校だ。 産経新聞によると、川崎市教育委員会は、この教材が学習指導要領から逸脱した内容であることを認めつつも、こうした教材を必要とする生徒がいることを理由に、回収や使用中止などは考えていないと説明している。 川崎市では、一部の県立高校で生徒が体操着に着がえる際、男女同じ教室で一緒に着がえさせる実態も判明。市内の複数の公立中学校でも、男女同室での着替えが日常化している。 こうした性の区別を目のかたきにするような指導は、全国の教育現場で蔓延している。川崎市に限らず、男女共同参画社会の実現に向けて、男女共同参画センターのような政策推進拠点を設置する自治体は多い。 ところが、こうした男女共同参画推進拠点の運営は、極端なフェミニストやジェンダーフリー推進派に牛耳られているのが大半だ。 鳥取県では、中学生の家庭教育に関して、「青少年育成鳥取県民会議」が作成したリーフレットや県教委のチラシなどが、男女共同参画推進条例に基づく苦情処理機関から、『男女共同参画に反する』といった苦情を受け、つくり直しを迫られた。 『男女差別であり、許せない』と糾弾された内容は、子育てに父親の役割が大切だとして、『お父さんは毅然と、お母さんは手づくりを』と呼びかけた部分だということです。 「攻撃の根拠は、男女共同参画推進条例にある、『公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担を助長し、また、連想される表現を行わないように努めなければならない』との条文だ。過激な性教育は、性秩序の荒廃や社会通念を麻痺させる害悪を招くおそれがある」と結んでありますが、時間がきましたので、本来ならば、最初の質問から最後までいろいろご答弁をいただきたいんですが、少し長くなると想定したので、全部私の一方通行で論じさせていただきました。 このことを含んで、今後、委員会等でも十分に取り上げさせていただきますので、答弁は結構です。(笑声) ○議長(八江利春君) 関連質問に入ります。 松田議員-49番。     〔関連質問〕 ◆49番(松田正民君) 今、佐藤議員の性教育についての話に耳を傾けておりましたけれども、それに対する教育長としての見解といいますか、長崎県での性教育の取り扱い、取り組みというものについては、どのような方向性の中で取り組まれておるのか、教育庁が、教育委員会を通じた動き、背景の中で性教育等についても取り扱っておられるというふうな感じもいたすわけでありますが、今、述べられた話とともに、その感想を、また、教育委員会としての姿勢というものについてお伺いをしておきたいというふうに思います。 それから、先ほど町村合併について、ほかの町村についての事例を挙げられましたけれども、単独の町村で果たしていけるのかと。いけないという今の実態が出てきておるわけでありますが、我が長崎県において1町であるとか、2町であるとか、そういう枠組みでいこうとする町村がありますよね。川棚町も一緒ですが、果たして本当にできるのかということを考えてみました時に、今、佐藤議員が指摘をされたように、単刀直入に考えて、普通に考えて、難しいと私は思います。 そういうことを考えると、やはり県のもっと積極的な、できないという、いわゆる財政的な裏打ちとともに、県の交付税も下がっておるわけでしょう。4年連続で下がりに下がりっ放しですよ。やはり県と市町村というのは一体感の中で、行政というのは動いてくると思うんですけれども、町村だけの枠組みではないと思うんですが、県のしわ寄せというのが、町村にまで影響を及ぼしてくると思うんですけれども、その実態を考えた時に、1町であるとか、2町であるとか、そういう枠組みの町村合併で果たしてできるのかどうか、基本的な見解について、もう一度お伺いをしたいと思います。もしできないということであるならば、どういう手だてというもので県は今後動こうとしておるのか。川棚町を含め、ほかの1町、2町という、そういう動きもありますけれども、そういうことを総合的に考えた時に、県は何もしないのか。いわゆるそういう動きを展開しないのか。具体的に県の主体性というか、そういう動きというものをもっと積極的に打ち出してもらいたいと私は思うんだけれども、その点どういう基本的な見解を持っておるのか、再びお伺いをしておきたいというふうに思います。 ○議長(八江利春君) 知事、簡明に。 ◎知事(金子原二郎君) 問題は、人口規模によると思うんです、町の場合は。人口規模とその中身の問題、要するに、その地域の自主財源比率がどれくらい高いか、そういったものから総合して判断をしなきゃなりませんので、一概に人口だけで話をするのは難しいと思います。 ただ、人口1万人以下というのはなかなか厳しいだろうし、今、長崎県で単独でやろうというので、先ほど佐藤議員からあったような話はどこもありません。正直言って、従来の交付金が流れてくる中で、少しは厳しくなるかなという前提で考えているのであって、例えば、議員を極端に減らすとか、そういった具体的な案を出しているような町は、正直言ってありません。実は、私どももそういったところについては厳しく指導はしております。 ただ、あくまでも合併というのは、主体的に地域が取り組むということになっておりますので、できるだけその指導をしながら、そういった意見もいろいろと述べさせていただきながら、現在進めているところでございます。 ○議長(八江利春君) 教育長。 ◎教育長(木村道夫君) 学校における性教育ですけれども、基本的には、学習指導要領に定める範囲で教育をいたしております。荒っぽく申し上げますと、心身、要するに、心や体の成長、成熟、あるいはそういったものに対する変化、そういったものが、要するに健全なものであるということを基本として教えながら、男女の差、そして、お互いを尊重し合う気持ち、こういったものを性教育の場で指導をいたしております。 ○議長(八江利春君) 松田議員-49番。 ◆49番(松田正民君) 教育長、性描写に対する性教育ですね、大変厳しい指摘がありましたけれども、長崎県としては、教育委員会を通じた、いわゆる教育庁の指導のもとに、この性の取り扱いについても基本的な考え方を持って取り組みたいということでありますので、どうぞ子どもの教育を含めた総合的な考え方の中に立って取り組んでいただくことを希望いたしたいと思います。 ○議長(八江利春君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、2時から再開いたします。     -午後零時17分 休憩------------------------------------     -午後2時0分 再開- ○副議長(平山源司君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 萩原議員-20番。 ◆20番(萩原康雄君) (拍手)〔登壇〕質問に入ります前に、冒頭、知事からも発言がございましたが、本日、「対馬市」、「壱岐市」が誕生しましたことを、改革21を代表して、心からお喜びを申し上げたいと思います。(拍手) 今後の両市の発展をお祈りをいたします。 また、知事をはじめ、関係者におかれましては、感慨もひとしおのことと思います。その努力に敬意を表します。 それでは、通告に従いまして質問をいたしますが、重複する部分もありますが、私の私見を交えて質問をさせていただきますので、お許しいただきたいと思います。 1、平成16年度予算について。 (1)、今後の財政運営について。 提案をされました本県の予算を見ると、地方交付税や国庫補助負担金の削減の影響を受ける一方、全国的には景気の回復の報道がなされる中で、依然として厳しい県内の経済情勢を背景に、税収も減収を見込まざるを得ず、財政規模も10年前の水準になっています。まさに失われた10年であります。 本県の平成16年度一般会計予算は、7,535億円であり、これに匹敵するのが、平成7年度の7,212億円であります。 10年前と比較してみると、財政構造は悪化をし、一層深刻な状態になっていることがわかります。 歳入面では、県税が887億円と10年前の1,065億円に比べて178億円減少し、借金である県債は、123億円増えて1,048億円、借金残高は平成16年度末で1兆413億円と、当時の5,976億円の約2倍となっています。 貯金である基金は、平成16年度の財源不足を補てんするため、過去最高の362億円の取り崩しを予定しており、このままいくと、平成16年度末の基金残高は、平成7年度末の427億円から72億円と、平成17年度の予算編成が危惧されています。 歳出面では、人件費の減があるものの、県債残高の増を反映して、平成16年度の公債費は1,091億円と、10年前の587億円と比べると、ほぼ倍増し、県税収入を大きく上回るなど、硬直化の大きな要因となっています。 こうした状況を踏まえ、平成16年度予算では、全国に先駆け、ハードからソフト事業への転換を掲げ、平成7年当時2,500億円あった建設事業費を2,000億円までに圧縮し、構成比も34%から27%へ抑え、これで捻出した財源で、自立した地域をつくるため、ソフト事業を展開されており、その方向を評価するものであります。 そこで、持続可能な財政を確立するため、その改革に取り組まれてきましたが、この10年間の財政運営の総括が必要です。増え続ける県債に歯どめをかけるなど、財政構造改革は、県政運営上、極めて大きな課題となっています。 そこで、今後の財政運営について、何が前進をしたのか、何が不足したのかなど、この10年間の総括の上に立った基本方針をお示しください。 (2)、県長期総合計画の見直しについて。 長期総合計画については、社会経済情勢の変化等を踏まえた見直しに要する経費として230万円が計上されています。 平成12年8月に策定された「長崎県長期総合計画」は、来年度で4年目を迎えることになります。 昨年10月に公表された長期総合計画に掲げた196の数値目標の進捗状況を見ると、全体的におおむね順調に推移しているものの、分野別に見ると、15の政策のうち、戦略的な特化産業の創出など、4つの政策に関する指標に遅れが見られるなど、濃淡があります。 さらに、地方自治体を取り巻く環境は、三位一体による地方財政制度の見直しや市町村合併など、計画作成時に比べて、大きく変化しています。 これまで知事は、本会議でも、「必要な見直しも検討していきたい」と答弁されており、私も3年程度の実施計画を策定する必要があると思います。 また数値目標についても、個別のものだけではなく、ハード事業からソフト事業への転換を踏まえ、農業生産額や水産水揚額、製造品出荷額など、産業全体をとらえた目標値を示す必要があると思います。 そこで、1点目、知事は、現状における進捗状況をどのように評価をされているか。 2点目には、社会環境の変化に伴い、政策の重点化など、数値目標を含めた抜本的な見直しが迫られていると思いますが、見直しに当たっての基本方針についてお伺いをいたします。 2、観光振興について。 (1)、新観光ルートについて。 金子知事は、平成13年、「観光立県」を宣言され、「本県ほど観光資源に恵まれた県は、47都道府県にない」と述べられ、問題は、これら観光資源が有効に活用されていないとし、地域ブランド確立の必要性を強調されています。 一方、政府の「観光立国懇談会報告」では、観光の意義を「観光の原点は、ただ単に名所や風景などの『光を見る』ことだけでなく、地域に住む人々が、その地に住むことに誇りを持つことができ、幸せを感じられることによって、その地域が『光を示す』こと」として、「観光立国の推進に当たっては、まず観光の原点に立ち返ること、つまり、『観光概念』の革新が必要である」としています。このことは、知事が言われる地域ブランド化と共通するものがあります。 そこで、産業遺産を活かした観光ルートについてお尋ねをいたします。 橋本議員は、日本の近代化と経済復興の担い手として、一時期栄華を誇ってきた産炭地の遺構は、歴史・文化・ロマンが感じられ、観光資源として高い価値を見出され、「海の道づくり」として提案をされました。 私は、森 祐行九大名誉教授の「青空博物館研修圏」を創ろうという話を聞く機会がありました。 森教授は、この構想について、長崎半島と西彼杵半島の西側の海に点在する島々、すなわち、端島(軍艦島)、高島、香焼、伊王島、池島、松島、蛎ノ浦島(崎戸)、大島を巡る「海の道」を整備をし、これらの島々に残る炭鉱遺跡を保存・活用することによって、人々が夢を描ける「青空博物館研修圏」として語られました。これら一つ一つのしまを博物館として、これを海の道でつなぎ、博物館圏を形成するということでありました。 この構想は、冒頭にふれた「観光の原点」、「地域ブランド」と一致するものであり、地域みずからが創る地域振興を図る上で、極めて示唆に富んだ提案だと思います。この歴史的素材は、本物に根差したストーリー性があります。多くの人々は、具体的なものを見て、さわって、話を聞いて、その価値や背景の本物の歴史を実感できるのではないでしょうか。 このすばらしいブランドの背景を、意欲と情熱でPRする人材を育てるならば、必ず人は集まってくるのではないかと思いますが、ご所見と、県においてもこの観光ルートの開発に努めると答弁をされていますので、取り組み状況をあわせてお伺いをいたします。 (2)、航空運賃の引き下げについて。 昨年の長崎空港乗降客数は、前年より、「ゆめ総体」という増加要因があったにもかかわらず、1万9,221人の減の283万4,289人だったことを同空港ビルディングが発表しています。 その理由として、国内では東京線などが増えたが、減便や新型肺炎など、国際線の運休が大きいと言われていますが、果たしてそれだけでしょうか。 長崎空港の乗降客数は、平成8年320万人をピークに減少傾向をたどっており、もっと深刻な問題としてとらえる必要があるのではないでしょうか。 同空港発着の航空運賃が高いという問題の解決なくして、歯どめをかけることはできません。運賃の具体的な格差は割愛をいたしますが、航空運賃の割高感は、観光立県を目指す本県にとって、旅行費用のうち、航空運賃が大きなウエートを占めるだけに、極めて大きな問題です。にもかかわらず、対応が遅すぎると思えてなりません。 県交通対策課では、「航空運賃等対策協議会」をようやく発足させ、新規航空会社の参入も視野に入れ、航空運賃の引き下げを目指すとされていますが、長崎空港の活性化に向けて、航空運賃引き下げなど、県の基本方針をお伺いをいたします。 また、新幹線鹿児島ルートが開通し、値下げ競争に拍車がかかります。さらに、観光客の目が鹿児島に向くことが懸念されていますが、その対策についてもお伺いをいたします。 (3)、滞在型観光客増対策について。 本県の観光客は横ばいで、宿泊客数は減少傾向にあることから、魅力ある観光地のレベルアップ、誘致宣伝隊の派遣など、積極的な誘致活動が展開をされています。来年度におきましても、新規キャンペーン事業が計画をされています。 私は、旅行会社も熾烈な価格競争を行い、ツアー客の獲得にしのぎを削っていることから、宣伝活動に一歩踏み込んだ施策も必要なのではないかと思います。 福井県では、滞在型の観光客を増やそうと旅行会社への補助金制度をスタートさせたと聞いています。 本県においては、来年度予算に観光対策費として、約4億7,000万円が計上されています。その一部を活用し、県内の観光地と県内宿泊を組み込んだツアーの企画書を提出してもらい、本県の新たな魅力が発見できる企画に対し、実績に応じた補助金を交付することも一つの方法だと思います。 このことは、本県の新たな魅力ある観光資源の発見につながり、滞在型観光客の増加、ひいてはリピーターの効果も期待できるのではないかと思いますので、ご所見をお伺いをいたします。 3、食料自給率向上対策について。 来年度の重要施策として長崎ブランドの確立により、農林水産業の振興を図るとして、特に、いちご、みかん、カーネーション等、長崎独自の品種の開発などを推進する。基盤整備地区については、担い手の確保と、優良農地を活かした収益性の高いモデル地区を育成するとされており、その成果を期待をいたしています。 本来であれば、基盤整備を行う前段で検討し、事業に着手すべきであり、遅きに失した感さえあります。喫緊の課題として取り組んでいただきたい。ご所見をお伺いいたします。 食料は、人間の生命維持に欠くことのできないものであるだけでなく、健康で充実した生活の基礎として重要です。安全な食料を安定供給することは、社会の安定及び県民の安心と維持を図る上で不可欠です。 しかしながら、我が国の食料自給率は、昨年12月に発表された平成14年のカロリー換算で40%と、平成10年度以降5年連続横ばいの状況になっています。 主食用の米は、100%確保されていますが、穀物の小麦は13%、大豆で5%と大変低い数値となっています。果実においても44%、生鮮野菜においても、この10年間で輸入量が4倍も増加をしています。 また、肉類においては、昨年末からアメリカでのBSE発生の影響により、外食チェーン店から牛丼が消えていたり、鳥インフルエンザの発生により、東南アジアからの鶏肉が輸入されなくなる事態が発生をしています。 これら一連の出来事は、食料の多くを海外に頼っている我が国の食料事情の危うさが、現実の問題として私たちに問いかけていると言え、自給率向上対策は新たな局面を迎えています。 また、昨年12月、農水省は、「都道府県別食料自給率」を発表しましたが、本県は前年度から1%減の42%で、全国平均40%をやや上回っている程度となっています。 このことを踏まえて、県としては、自給率向上のため、どのような対策を講じられているのか、お伺いをいたします。 2点目には、他県では担い手の減少、高齢化に伴って、遊休地や耕作放棄地が増加し、これを防止し、自給率向上の視点から構造改革特区による株式会社の農業経営への参入に取り組まれています。このことを本県ではどのように考えているのか、お伺いをいたします。 3点目には、鳥インフルエンザが山口県及び大分県で発生したことから、本県における感染防止等に迅速・的確に対応するため、警戒連絡会議が設置されたとのことです。消費者の不安、風評被害を防止するため、正しい情報の提供など、万全の対策を講じてほしいと思います。 今後の本県での対策についてお伺いをいたします。 4、地方独立行政法人、指定管理者制度の運用について。 「地方独立行政法人法」は、今年4月から施行されます。この法律による地方独立行政法人制度は、地方公共団体の自主的な判断に基づき、地方公共団体とは別の法人格を有する団体を設立し、自立的かつ弾力的な業務運営を行うとともに、適切な事後評価と見直しを行うことにより、業務の効率化やサービス水準の向上を図る目的として、今日の厳しい経済状況のもと、地方公共団体における行政改革を適切に推進していくための手法として位置づけられています。 この制度の創設には、さまざまな意見がありましたが、既に本県では、県立両大学が来年4月、法人化に向け、取り組みが進められています。非公務員型となることから、教職員の理解など、教育、研究の特性に配慮する必要があると思いますが、現状どのようになっているか、お伺いをいたします。 次に、指定管理者制度についてであります。 これまでの公の施設は、公共の利益のために多数の住民に対し、公平に利用を提供することが必要であることから、適正な管理を確保するため、管理を委託できる範囲を公共団体、政令で定める出資法人等に限定をされていました。しかし、公共団体以外に十分なサービス提供能力が認められる団体が増加してきたことや、住民ニーズの多様化に効果的、効率的に対応するためには、民間のノウハウの活用が有効であることから、地方自治法第244条の2が改正、施行され、本県においても昨年11月定例会において条例が制定され、第一歩を踏み出しました。 今後、公の施設は、自治体の判断により、「法人その他の団体」に委ねることが可能となり、団体であれば法人の資格の有無に関係なく、民間業者から市民団体等まで対象とすることが可能となりました。 そこで1点目ですが、今回の改正は、公の施設の管理について、指定管理者制度の導入を義務づけたものではなく、あくまでも施設の目的や実情に照らし、導入の是非を判断するとされています。公共サービスの質の確保と地域の活性化に寄与するために活用されるべきだと考えますが、導入に当たっての基本方針についてお伺いをいたします。 2点目には、指定に当たっては、公募など、複数の申請者に事業計画を提出させ、住民の平等利用の確保、施設の効率的利用や経費節減、安定管理の物的・人的能力、公正労働基準などの選定基準を定め、最も適切な団体を選定することが当然のことと考えられます。選定の方法について、お伺いをいたします。 3点目には、旧法の規定に基づき、管理委託を行っている公の施設については、3年以内に当該公の施設の管理に関する条例を改正し、改正後の地方自治法第244条の2の規定による指定を行うことが必要であるとされていますが、その対象となる施設の数と具体的なプログラムをお示しください。 5、県入札制度の改正と入札監視委員指摘について。 県は、今年4月から実施する県発注工事の入札制度を限られた財源を有効に活用していくため改正することを明らかにされています。 よりよいものをより安く調達すべく、入札制度を見直し、入札の透明性・競争性・公正性をさらに高めるとともに、不良不適業者を排除し、技術と経営に優れた県内企業の育成を図るための企業評価の見直しや企業点検等の対策を推進する。さらに、県内企業優先対策や県内建設業の健全育成対策も講じるとされています。 改正の方向としては、一定評価をいたしていますが、次の2点について質問をいたします。 1点目は、最低制限価格制度の適用拡大です。低入札価格調査制度は、企業の努力による競争性を高めることと同時に、価格漏えいによる不祥事の反省の上に立って導入されたものであります。したがって、変更するに当たっては、地域経済へどのような影響があったのか、工事の品質確保ができないこと、不祥事の防止などについての具体的な説明が必要だと思いますが、ご見解をお伺いをいたします。 2点目には、障害者雇用など社会的貢献を評価をし、格付点数に加味するという点については、県内障害者の法定雇用が厳しいだけに、後退することがないよう、前倒し実施も含め検討していただきたいと思いますが、ご見解をお伺いをいたします。 また、物品の調達に当たっては、障害者を積極的に雇用している企業を優先的に指名する優遇制度が導入できないか、検討していただきたいと思います。あわせてお伺いをいたします。 次に、県に入札監視委員会は、県警発注の信号機工事は、不自然な傾向が続いている、談合の疑いがあるとして調査を指示しましたが、発注者だけでは解明が困難として、公取委への通知を求める意見具申があったと報道されています。議事録が開示されていませんので、答えられる範囲内で、具体的説明と意見具申に対して知事はどのように対応されるのか、また、県警としては、この具申を受け、疑惑を招かないよう、今後どのように対策を講じられるのか、お伺いをいたします。 6、住宅供給公社同様に、厳しい状況にある県土地開発公社・道路公社の経営状況について。 県土地開発公社は、「公有地の拡大の推進に関する法律」に基づき、公共用地、公用地等の取得・造成・管理・処分等を行うことで、地域の秩序ある整備を目的として設立され、道路・公園等の公共・公用施設用地等の先行取得などについて役割を果たしてこられました。 しかしながら、公共事業が縮減傾向にあり、事業量の確保が厳しい状況にあるのに加え、長期保有土地もあり、地価の下落とともに含み損が懸念されています。 県の出資団体の見直し計画では、長期に保有している大村臨海工業用地、神ノ島工業用地については県に買い取りを、吾妻工業用地と東そのぎグリーンテクノパークについては、独自の土地造成事業ではあるが、実質的には県の依頼によるものであることから、企業誘致促進について県に要請が行われています。県としてどのように対応されるのか、お伺いをいたします。 また、現在、施行中の公社独自の事業である時津十工区埋め立て事業は、約69億円の事業費が投入されており、一工区が平成17年度完成、二工区が平成25年度完成予定であり、完成までの間に地価の下落も予想され、公社経営に大きな負担要因となりかねず、その対策が必要です。その見通しについて明らかにしていただきたい。 土地開発公社の経常収支は、赤字が拡大傾向にあり、資産再評価など、財務内容の洗い直しと正確な情報の開示が必要だと思いますが、あわせてご所見をお伺いいたします。 次に、県道路公社についてであります。 地方有料道路事業では、建設資金が全額借入金であり、料金収入で維持管理費を支出した上、事業開始から30年間で建設資金を償還することになっています。 同公社が管理運営をしている有料道路の路線のうち、6路線は償還計画を下回っていると言われています。特に、松ヶ枝駐車場、松浦バイパス有料道路は、通行台数が計画台数の31%で、料金収入で維持管理費が賄えず、償還準備金の繰り入れが全くない状況にあります。 また、国見有料道路は、平成19年度に料金徴収期間が終了し、一般道路化の予定ですが、通行台数は計画台数の約70%、多額の償還不足が見込まれています。どのような検討がなされているのか、お伺いをいたします。 以上、本壇からの質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(平山源司君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕萩原議員のご質問にお答えいたします。 今後の財政運営についてのお尋ねでございますが、本県では、これまで公共事業などの投資事業を積極的に実施して、地域の振興を図ってまいりましたが、平成16年度の県税収入は、昭和63年度以来の800億円台となっており、生産性や所得の向上の点では、必ずしも投資に見合う効果があらわれているとは言えません。 公共投資の減少は避けられない流れとなっている中で、県内経済の持続的な発展に向けて、産業構造の転換を図っていくことが急務となっており、地場産業の自立的な発展や、産業の生産性向上に直接つながるソフト事業などに、思い切って施策の重点を移してきたところであります。それによって、県債発行の抑制にもつながっていくものと考えておりますが、一方で、地方交付税の原資不足に対する地方財源対策として、いわば交付税のかわりに、臨時財政対策債などの特例的な県債を発行する措置がとられており、歳入の確保が難しい中で、必要な施策に取り組むためには、これらの起債措置による財源の確保は、今後も行わざるを得ないものと考えております。 次に、長期総合計画の進捗状況をどのように評価しているかというお尋ねでございます。 長期総合計画の進捗状況を、昨年10月に公表した196の数値目標で見ますと、10カ年計画の2年目である平成14年度末におきまして、既に目標を達成したものを含めて、2割以上進捗している項目が全体の6割以上あることから、議員のご質問にもありましたように、全体としてはおおむね順調に推移していると考えておりますが、その一方で、進捗が遅れているものも相当数あり、今後、その達成に向けて、さらに努力をしてまいりたいと考えております。 次に、長期総合計画の見直しに当たっての基本方針についてのお尋ねでございますが、最近の国の「三位一体の改革」等による地方財政制度の見直しや、市町村合併の著しい進展、食の安全・安心に対する意識の高まりや、厳しい雇用情勢などを背景とした県民ニーズの変化など、今日の社会経済状況は、議員ご指摘のように、「長期総合計画」を策定した平成12年当時と比べまして大きく変化しております。 現在、「長期総合計画」の42の施策の進捗や、今後の方向などを検証する施策評価を実施しており、年度内の取りまとめに向けて作業を進めてまいりたいと存じます。 「長期総合計画」の見直しに当たりましては、この施策評価の結果を十分に踏まえた上で、見直すべき点は見直すとともに、長崎県の将来のために必要なものは積極的に実施していくという考え方のもと、残された後期5カ年の改定作業に着手してまいりたいと考えております。 その際は、県議会や県民の皆様に、本県の実態をよくご説明するとともに、皆様からいただいたご意見を十分に反映させながら、また、議員が述べられた数値目標の考え方も踏まえまして、見直しを進めてまいりたいと考えております。 次に、地域ブランドとしての「海の道づくり」についてのお尋ねでございますが、議員ご指摘のとおり、本県には、旧産炭地における産業遺産をはじめ、観光地に必要な地域ブランドの確立に大きな役割を果たす産業観光の資源が数多くあります。 県といたしましても、県観光連盟と一体となりまして、地域の方々とともに、地域ブランドの確立に向け、鋭意取り組んでいるところであります。 議員のご質問にもあります、長崎半島から西彼半島にかけての島々を巡る「海の道」につきましては、産炭地という共通事項で結ばれまして、独自の歴史と文化が根づいた地域であり、これを活かしまして観光ルートとして開発することも地域活性化につながる方策の一つであると思います。 観光客誘致に当たりましては、観光ルートとしての多様な魅力づくりと、観光振興を支える人材の育成が必要不可欠であります。 県といたしましては、県観光連盟とともに、産業遺産のほか、美しい自然景観などの島の魅力に加えまして、隣接する半島地域の豊富な観光資源も取り入れた広域的な観光ルートづくりや、地域ブランドを担う人材づくりが図られるよう、地域の取り組みに対しまして、今後とも積極的に支援してまいりたいと思います。 次に、食料自給率向上のため、どのような対策を講じているのかというお尋ねでございます。 国におきましては、食料自給率の目標を45%としまして、食生活見直しの普及を進めながら、特に、自給率の低い作物の生産を振興しているところであり、長崎県におきましても、麦、大豆、飼料作物などの作付を推進しているところであります。 ご指摘の食料自給率の向上は、国民の生活にとって極めて重要な課題でありますが、その基本は、生産を担う農業者の所得確保による経営の安定にあると考えます。 このため、本県では、従来から地域の特性を活かした、果樹、野菜、花、茶、葉たばこ等、生産性の高い園芸作物や畜産等の振興を図っているところでありますが、これらは自給率の向上には反映されにくい作目であります。 また、食生活の見直しに当たりましては、消費者の理解と支持が得られる取り組みが重要なことから、地産地消運動の展開、安全・安心な農産物の供給などを関係機関と一体となって推進しております。 これらの取り組みを総合的に進めることによりまして、食料の自給率向上に寄与できるものと考えております。 次に、土地開発公社の長期保有土地に対する県の考え方、対応についてのお尋ねでございますが、長期保有土地のうち、大村臨海工業用地及び神ノ島工業用地は、公共用地として県の依頼によりまして土地開発公社が取得しております。2つの用地とも、公社より買戻しの要請がありますが、具体的な利用計画が立っていないので、引き続き公社において保有しております。 東そのぎグリーンテクノパーク、吾妻工業団地は、県の依頼により、企業誘致のための工業用地として造成し、その一部は分譲済みであります。 県としては、長期保有土地の取り扱いについて、「県住宅供給公社等出資団体調査特別委員会」でのご議論を踏まえまして、適切に対応していきたいと考えております。 時津十工区埋め立て事業の見通しについてのお尋ねでございますが、時津十工区埋め立て事業は、公社の自主事業として平成9年度より着工しております。 現在の計画では、開発面積33.4ヘクタール、総事業費134億円で、完成後の分譲額には、地価下落がある程度見込まれておりますが、今後の景気や企業の投資の動向等によっては、予定どおり処分ができるか、不透明でありますので、事業計画の見直しも含めまして、今後の事業の進め方を検討するように指導しております。 土地開発公社は、簿価評価を基準とする国の「土地開発公社経理基準要綱」に基づき会計処理を行っておりますが、公社においては、経営の実態を把握するため、保有土地について売買事例等に基づく概算の時価評価を行っております。 県といたしましては、さらに専門家による再評価を行うように指導しております。 次に、有料道路の償還計画についてのお尋ねでございますが、長崎県道路公社の営業している道路等は8路線と1駐車場であります。 平成14年度の交通量は厳しい路線もありますが、全体では、計画に対して88%となっております。しかしながら、経費節減に努め、平成14年度も16億3,000万円の収益を償還に充てております。 これによりまして、平成14年度末における償還すべき計画額133億5,000万円に対しまして、実績では、計画の97%に当たる130億円を償還し、おおむね順調な経営となっております。 松浦バイパスと松ヶ枝町の駐車場につきましては、収入で管理費は賄えていますが、利息等は賄えず、建設費の償還もできない状況であります。 「長崎県出資団体あり方検討委員会」からの経営改善等の提言に基づきまして、松浦バイパスの一般道路化、松ヶ枝駐車場の長崎市への早期移管について、現在、松浦市、長崎市と協議を進めております。 国見有料道路は、議員ご指摘のとおり、平成19年度に償還期間が満了しますが、償還に不足額が生じることが考えられ、損失補てんするための引当金制度を活用するなど、財源を検討しております。 今後とも、道路公社の経営の健全性・安定性の確保に努めてまいりたいと思います。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。 ○副議長(平山源司君) 地域振興部理事。 ◎地域振興部理事(篠部武嗣君) 観光振興につきまして、4点お答えをいたします。 海の観光ルート開発の取り組み状況についてでございますが、昨年、伊王島や高島において、宿泊施設の開設や温浴施設の整備が図られたところでありますが、さらに、新たに長崎港から端島(軍艦島)を、端島出身のガイド添乗により周遊をいたしまして、野母漁港に至ります新規航路が許可をされまして、現在、定期航路化に向けて準備が進められております。 池島においても、昨年、関東地区の高校生が石炭産業遺構の学習のための修学旅行で訪れておりまして、来年度の来訪も決定しております。 崎戸においても、炭鉱遺構を活かしたまちづくりを進めております。 県といたしましては、県観光連盟と一体となりまして、これらの地域が取り組む事業を積極的に支援いたしまして、海の観光ルートの開発を進めてまいります。 次に、航空運賃の引き下げについてのお尋ねでございますが、航空運賃引き下げ対策等の検討を目的といたしまして、去る2月20日、経済界、観光団体、企業、有識者、行政で構成いたします「航空運賃等対策協議会」が設立されまして、「ビジネス等運賃低廉化分科会」と「観光需要喚起分科会」の2つの分科会で検討を進めることが決定されました。 第1回の協議会におきましては、ツアー料金の仕組みを解明して対策を打つべき。空席の多い便で運賃値下げにより観光客増を図る方策を考えるべき。運賃値下げと同時に、観光地自体や空港ビルの魅力アップの取り組みをする必要がある。特定の空港発に対象を絞った修学旅行誘致対策が必要。長崎~東京線の特割運賃を普通運賃が同額である大手航空会社の鹿児島~東京線並みにすべき。一般県民の運賃の希望は、東京線で2万円以下というところではないか。航空会社では、単価の高い個人運賃のビジネス客の獲得が最重要で、新規航空会社の誘致には経済界の盛り上がりが不可欠などの意見が出されました。 本年夏ごろを目途に協議会として取り組むべき方策が出される予定でありまして、県といたしましても、協議会の中で民間の方々の活動を積極的に支援してまいりたいと考えております。 次に、新幹線鹿児島ルートの開通に伴う対策についてでございますが、鹿児島県側からの誘客のため、新幹線利用を組み込んだ長崎発と鹿児島発の両方向の旅行商品を両県の旅行代理店が共同で開発いたしまして、相互に送客し合う事業の協議を進めております また、鹿児島県からの修学旅行誘致につきましても、新幹線利用を想定しまして、天草や熊本を経て島原半島に入るコースを旅行代理店に提案しております。 さらに、先進技術に関心が強い中国人観光客についても、中国東方航空などと協力し、新幹線を活用した周遊ルートの商品化を進めております。 今後とも、新たな観光動向に合わせ、誘致に努めてまいります。 最後に、旅行会社の企画に対しまして、実績に応じて補助金を交付してはどうかとのお尋ねですが、県としては、観光地としての地域ブランドの確立を図るとともに、魅力ある旅行商品の開発と、その育成が大変重要であると考えております。 議員ご提案の補助制度につきましては、旅行会社は好意的に受けとめますけれども、観光地の広報宣伝でありますとか、旅行商品にかかるさまざまな周知を、繰り返し、繰り返し行うことの方が、より効果的であると考えられること、また、事業廃止後の反動による観光客の減少が懸念されることから、本県では、広告宣伝に対する支援を実施しているところでございます。 今後とも、費用対効果を踏まえた事業展開を心がけまして、より一層の集客に努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(平山源司君) 農林部長。 ◎農林部長(南里雅彦君) 構造改革特区による株式会社の農業経営への参入についてのお尋ねでございますが、株式会社等による農業経営の参入につきましては、農地の有効利用や農村の活性化が期待される一方、投機的な農地の取得や、農村の環境破壊等の懸念についても指摘されておるところでございます。 農業は、土地利用調整や道路、水路の管理運営など、地域社会と密接にかかわっていることから、農業経営に参入し、円滑な営農活動を展開するためには、地域での調整や合意形成を図ることが必要でございます。したがいまして、市町村や地元関係者と十分に協議して対応すべきものと考えております。 次に、今後の鳥インフルエンザ対策についてのお尋ねでございますけれども、鳥インフルエンザにつきましては、昨年12月、韓国での発生に伴い、防疫体制を強化してまいりました。山口、大分両県での発生を受けまして、去る2月23日に副知事を本部長とする「長崎県鳥インフルエンザ警戒連絡会議」を設置いたしました。 これまで実施してきた養鶏農家や学校などの立ち入り検査では、発生は確認されておりません。しかしながら、感染経路が特定されていないこともあり、引き続き養鶏農家等への立ち入り検査を行うとともに、ラジオ、新聞等を通して、鳥類を飼育している学校や県民の方々からの情報収集に努めております。 また、県のホームページ等で本病に対する正確な情報を提供するとともに、県民からの相談については、保健所及び家畜保健衛生所が対応をしているところでございます。 国内での発生が拡大していることから、今後とも関係部局と連絡をいたしまして、市町村、関係団体と一体となって家きんの防疫対策、人の健康対策、鶏卵、鶏肉に対する風評被害対策に万全を期してまいりたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(平山源司君) 総務部長。 ◎総務部長(有岡宏君) まず、両県立大学の法人化についてのお尋ねにお答え申し上げます。 法人化に当たりましては、教員の評価システムを導入いたしますとともに、非公務員化のメリットを最大限に活かし、教職員の意欲や能力が十分発揮できる雇用形態、あるいは給与体系を導入してまいりたいというふうに考えております。 現在、両大学と具体的な制度設計について協議を行っておりますけれども、教職員の勤務条件の変更に関するものにつきましては、あらかじめ教職員や職員団体へ十分説明を行ってまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、地方独立行政法人化によりまして、両県立大学が、大学としての魅力を高められるよう努力してまいりたいと思っております。 次に、公共施設の管理運営における指定管理者制度についてのお尋ねでございます。 公の施設の管理運営につきましては、議員ご指摘のとおり、地方自治法の改正によりまして、民間事業者による管理を可能とする「指定管理者制度」が導入されたところでございます。 今後、この法改正の趣旨を踏まえながら作業を進めてまいりたいと存じますが、その際は効率性の向上だけでなく、いかに県民へのサービスの水準を高めるかという観点からも、この制度を順次導入してまいりたいというふうに考えております。 次に、選定方法でございます。 選定に当たりましては、まず、選定基準を条例で定める必要がございます。これにつきましても、今申し上げましたような趣旨で、県民サービスの向上、あるいは効率性など、総合的に勘案できるような基準を設けていきたいというふうに考えております。 この条例を定めますとともに、選定そのものにつきましても、議会の議決をいただくことになっておりまして、いわば二重のチェックをいただくことになっております。 今後は、導入に当たりましては、このように制度が透明性、公平性というものを強く求めておりますので、この点を踏まえて対応していきたいと思っております。 次に、今度の法改正で、新たに指定管理者制度を導入する施設がどのくらいあるかということでございますけれども、現在のところ、対象となる公の施設の数としては50程度を見込んでいるところでございます。この辺につきましては、今後の検討で数字が動く可能性がございますけれども、50前後ではないかというふうに考えております。 具体的には、既に政策評価の手法を活用いたしまして、公共施設の評価というものを実施しておりますので、この内容も踏まえた上で、3年以内に、順次、指定管理者制度への移行をしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(平山源司君) 土木部長。 ◎土木部長(中野正則君) 県入札制度の改正と入札監視委員会の指摘について。 まず、入札制度に関しまして、最低制限価格制度の適用拡大に対する見解についてのお尋ねでございますが、近年、建設投資の減少に伴いまして受注環境が厳しくなってきております。 特に、本年度に入りまして、低入札価格調査制度を適用している設計金額1億円以上の工事におきまして、低価格の受注件数が大幅に増えてきました。 また、建設業者の受注高や建設作業員の労務賃金が低下してきており、倒産件数も増加してきております。 こうした状況においては、工事の品質確保や下請業者、材料納入業者へのしわ寄せが懸念されております。そのため、平成16年度から最低制限価格の適用拡大を行います。 これによりまして、設計金額1億円以上の工事では、入札における失格となる価格が引き上げられ、一定の効果があるものと考えております。 なお、情報管理につきましては、入札会場において、予定価格などを一定の範囲でのランダム化により決定する対策を講じております。 次に、障害者雇用業者への優遇措置について、物品の調達も含めてのお尋ねでございますが、障害者の雇用は、重要な課題と考えております。今後、企業の格づけ要件として妥当であるかの検討を行いますが、要件となった場合でも、平成17年1月からの経営事項審査で実態把握を行うため、平成18年度の格づけで反映されることになります。 また、物品の調達についても、優先的に発注できる制度を検討してまいります。 次に、県警発注工事について、入札監視委員会が公正取引委員会への通知を求めたことへのお尋ねでございますが、県警本部発注の信号機設置工事につきましては、長崎県入札監視委員会第5回定例会議の審議案件の一つとして付議されましたが、落札者以外の入札額がすべて予定価格を上回る状況であったことや、落札率が高かったことなどから、入札結果に不自然さがあると判断され、発注者において調査の上、その報告を求めることとなりました。 その後、開催した入札監視委員会において、県警本部により調査結果が報告されました。 その内容は、「入札参加者に対する事情聴取を行うとともに、工事費内訳書を提出させ、分析などを行ったものの、談合の事実は認められなかった」とし、「今後、競争性を高めるために、入札の方法を一部改善したい」というものでありました。 これを受けた審議では、「県警本部発注の同種工事においては、ここ数年、同様な傾向が続いており、発注者の調査だけでは解明が困難」との意見が出され、「当該工事については、なお談合の疑いがぬぐえない」としまして、「公正取引委員会に通知するよう、知事に対して求めること」となったものであります。 なお、公正取引委員会に対しましては、2月末に通知を行っております。 以上でございます。 ○副議長(平山源司君) 警察本部長。 ◎警察本部長(出原健三君) 入札監視委員会の意見具申を受けての県警の今後の対応についてのお尋ねでございますが、……。 ○副議長(平山源司君) 時間です。 萩原議員-20番。 ◆20番(萩原康雄君) 質問が非常に多岐にわたって、まだ答弁が残っておりますので、引き続き、再質問の範囲内でご答弁をお願いいたします。 ○副議長(平山源司君) 警察本部長。 ◎警察本部長(出原健三君) 入札監視委員会の意見具申を受けての県警の今後の対応についてのお尋ねでございますが、県警といたしましては、これまでも県の入札制度に基づき、適正に入札を実施してまいりましたが、今回の入札監視委員会の審議結果を真摯に受けとめ、入札に多くの業者が参加するような制度を採用することなどにより、業者間の競争性を高め、今後とも入札談合の未然防止に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(平山源司君) 萩原議員-20番。 ◆20番(萩原康雄君) 一通りご答弁をいただきましたので、少し再質問をさせていただきますけれども、まず、最後の部分からいきますと、そういう疑惑を招かないように、今後、適正に行うということでございますので、そうした趣旨を活かしていただいて、今後、適正に執行していただくよう、まずお願いをしておきたいと思います。 次に、土地開発公社の問題です。 今、知事から答弁をいただきましたけれども、いわゆる長期保有土地、県が依頼をして、そして土地開発公社に取得をさせた、あるいは造成をさせた、こういう土地が塩漬けになっておると。こういうことが見直しの委員会の中においても論議がなされまして、県に対して適切な措置をとってもらいたいと、こういう意見が述べられておるわけでございますけれども、やはりここに県と土地開発公社のもたれ合いという、言葉は悪うございますけれども、土地開発公社にそうした事業を持たせておるという関係というものが、一方では公社の独立採算を言いながら、県の事業をこうした格好において行われておることによって、この公社の経営を圧迫をしてきておると、こういうことにつながるんではないかと、こういうふうに思います。 したがいまして、これらの問題、長期塩漬けになっておる問題、とりわけ、県が取得を依頼したところ、あるいは、県が実質的に依頼をした4つの団地については、速やかに措置をとるように検討していただきたいと、こういうふうに思います。もう時間がございませんので、答弁は結構でございます。 ただ、時津十工区の問題ですね。これは今、知事の方から答弁をいただきましたように、平成9年に着手をされまして、埋め立て面積が約32万平方メートル、百三十何億円、そして、当初の計画は、平成15年に完成予定でありますし、二工区が平成19年4月に完成予定であったわけですね。しかし、この試算をされた時と、現実には完成が25年というふうに二工区はなっておりますので、相当時間的なずれが出てくるんではないかと。 今、知事の方からは、ちゃんとそういう価格が下落をした際の対策も講じておると、こういうふうなご答弁だったと思いますけれども、それでは、ここの土地が、現段階で幾らを想定されて、幾らだったら、この採算が合うのかどうか、そこら辺まで含み込んだ試算がなされておるのかどうか、そこら辺をまずお答えいただきたいと思います。 ○副議長(平山源司君) 土木部長。 ◎土木部長(中野正則君) まず、時津十工区の事業でございますが、先ほどお答えしましたように、総事業費が約134億円で事業計画を組んでおります。現時点で、これから一工区、それから二工区を処分するとしまして、先ほど知事の答弁にありましたように、ある程度の地価下落は見込んでおります。その価格が、今の状況では135億円程度、つまり差し引き1億円程度の収益があるんではないかというふうに思っております。 ただ、これは、先ほど申しましたように、時価評価しておりますが、そして、地価の下落も見ておりますけれども、今後、いろんな状況によりまして、また変わる可能性がありますので、この辺についてはもう少し精度よく詰めていきたいというふうに思っております。 以上でございます。 ○副議長(平山源司君) 萩原議員-20番。 ◆20番(萩原康雄君) 知事が常々おっしゃっておるのは、やはりこうした事業に対する的確な試算ですね、このことが非常に重要だということで、この本会議を通じても、かなりそのことについては厳しく対応するという答弁をなさってきました。 私がここを指摘しているのは、当初予定をしておったよりも10年先になってしまうわけですね。そうだとするならば、平成9年に着工した時の試算と、もう今日の状況の中においては相当の差が出てきておるんじゃないかと。ましてや、こういう経済情勢の中において、工業用地、商業用地、住宅用地として造成をされるわけですけれども、当初計画したように、順調に造成した土地が売却できるのかどうかということについては、非常に不安がつきまとうと、こういう状況にあるわけでございますので、これらの問題については、やはり住宅供給公社のようにならない前に対策を講じる必要があると、こういうことでこの問題については、私は質問させていただいたところでございますので、ご答弁いただきたいと思います。 ○副議長(平山源司君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 私も全く議員ご指摘のように同感でございますので、委員会の中ですべての資料を提供させていただき、また皆さん方からもいろんな中身についての質問をやっていただいて、そして、そこの中でいろいろと検証していただきたいと思うんですね。正直言って、今までどの公社も議会で突っ込んだ議論というのは、ほとんどなされてなかったと思うんです。これは我々理事者側の責任もあると思います。いろいろな資料を、今、準備させていますので、今、議員からお話があったような内容も含めて、それから、もう一つは、保有している土地の問題についても、どうしたらいいかということについても、これも委員会の中でいろいろ議論していただければというように思っております。(発言する者あり) ○副議長(平山源司君) 萩原議員-20番。 ◆20番(萩原康雄君) 今、知事の方から答弁いただきましたが、ぜひ十分に審議できるように、資料の提出方をお願いをしておきたいと、こういうふうに思います。 そこで、もう一点だけ再質問をさせていただきますけれども、この航空運賃の引き下げの問題でございます。 篠部地域振興部理事が、この間、この問題について熱心に取り組んでいただいておるということについては、私も十分承知をいたしております。 ただ、しかし、他の空港に比べて、非常に長崎空港が割高になっておるということは、昨日、今日出てきた問題じゃないわけですね。したがって、この問題については、もう今日の時点ぐらいは、少なくとも鹿児島の空港と同じくらいのレベルに、あるいは超特割ぐらいは長崎にも適用されておってもいいんじゃないかと、こういうふうに思います。 ただ、しかし、その中においては、経済界の中においてもいろんな意見があるというふうにお聞きをいたしております。なかなか意見の一致を見ないために、県が先に走るというわけにもいかないということで、ご苦労されておるということについては承知をいたしておりますけれども、ぜひひとつ観光立県の長崎県にとっては、この問題は非常に重要な問題であるということで、観光業界のみならず、経済界挙げて、労働団体も含めて、県民運動として、ぜひ引き下げに向かって運動を続けていただきたいと、こういうふうに思います。そういう点でお願いをいたしたいと思います。 ○副議長(平山源司君) 地域振興部理事。 ◎地域振興部理事(篠部武嗣君) 私も大変な危機感を持って臨んでおるつもりです。 特に、東京~長崎線につきましては、現在、大手2社で11便飛ばしておりますけれども、搭乗率があんまりよくないことから、航空会社としては、いつ減らしにかかろうかとさえ思っているふうがございます。こういうことがあっては、さらに観光客が減っていきますので、こういった危機感を持って、何とか対策を打たなきゃいけないということで、観光業界も経済界も、みずからのこととして、問題に取り組む姿勢を、この協議会を契機にやっていきたいと思っております。 ○副議長(平山源司君) 萩原議員-20番。 ◆20番(萩原康雄君) 時間がありませんので、どうかひとつ、あといろいろな問題についても要望を申し上げたかったわけでございますけれども、意のあるところをお酌み取りいただきまして、施策に移せる部分についてはぜひ移していただき、そして、スピード感を持って取り組みをしていただきますことをお願いをして質問を終わります。 ありがとうございました。 ○副議長(平山源司君) 関連質問に入ります。 高見議員-4番。     〔関連質問〕 ◆4番(高見健君) 先ほどの緑の募金の街頭の取り組みにおきまして、皆様方のご支援をいただきまして、まことにありがとうございました。山間地域に住む一人の人間としまして、皆さん方にお礼を申し上げたいと思います。(笑声・発言する者あり) 萩原議員の質問に関連をして質問させていただきますが、一つは観光振興についてでございますが、いつも県の大阪事務所から定期的に便りが届きます。先般いただいた便りの中で、八丈島へのツアー、これが大変好評であったというような報告が掲載をされていたところでございました。 本日3月1日には、「壱岐市」、「対馬市」が新たに誕生いたしました。本年8月には、「新上五島町」、「五島市」が誕生するわけでございますけれども、こうした誕生と合わせたイベントといいましょうか、島に対する都会の人たちのいやしの気持ちといいましょうか、そういったものも強くあるように感じられますので、ぜひともそうした商品開発を、市や県が一体となってできないものか、あるいは、今後、そのようにしていただきたいということでお考えをお聞かせいただきたいと思います。 いま一つは、食料の自給率向上対策についてでございますけれども、食料自給率を高めるには、農家の元気、すなわち担い手不足の解消や就業人口を増やしていくためにも、経営の安定が大切だというふうにご答弁をいただいているところでございます。 そのためにブランド化が必要であるというふうに言われています。私も全く異論のないところでありますけれども、本県で戦略作目として新品種の開発をされようとしていますいちご、一般質問初日の大石議員の質問に答弁もされていますが、母本を農水省に求め、その中から開発を行うというように言われています。 福岡県では、県独自に母本を持って品種開発に取り組み、「あまおう」を送り出したというふうにも聞き及んでおりますが、この福岡県と長崎県とに随分と開きがあるような、そんな感じもしてなりません。 今後のお取り組みの具体的な内容、母本の確保や研究スタッフ、新品種開発の目途や決意などについて、ぜひお聞かせをいただきたいと思っております。 ○副議長(平山源司君) 地域振興部理事。 ◎地域振興部理事(篠部武嗣君) 1点目につきまして簡潔にお答えします。 島の魅力が、最近クローズアップされておりますので、現在、島のブランド化事業でありますとか、都市と農山漁村の対流促進という取り組みを県としてもしておりまして、そういった流れを人材育成なども含めてつくりました上で、商品化をさらに進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(平山源司君) 農林部長。 ◎農林部長(南里雅彦君) いちごの品種開発につきましては、今までは国が先導して品種開発してきたものを、県内の産地に向くものを採用して、面積の拡大を重点に置いて施策を展開してきたわけでございます。 そのために、県の方としましては、産地の育成に欠かせない栽培技術の向上や省力化のための研究に資源を集中して実施してきました。 今後は、地域間競争が深まる中、新しい品種が必要であるということで、国の方の協力を得まして、研究をし、我々の長崎県に合う新品種をスピードアップしてやろうとするものでございます。これから先の独自性につきましては、今後、我々は、いちごを重要な戦略品目にしておりますので、それに向けて努力をしてまいりたいと思います。 ○副議長(平山源司君) 高見議員-4番。 ◆4番(高見健君) 先ほど申しました「あまおう」、名前の由来を聞きますと、「あかい、まるい、おおきい、うまい」と、1個300円もするというふうに聞いています。そういう意味では、こうした大きなものに対抗するのは、本当に並々ならぬ努力が必要だというふうに思いますけれども、先ほどの観光振興の問題も合わせまして、関係部局の職員の皆さん方の大いなるご奮闘と成果を期待をいたして関連質問を終わります。 ありがとうございました。 ○副議長(平山源司君) 橋本議員-34番。     〔関連質問〕 ◆34番(橋本希俊君) 萩原議員が質問されました新観光ルートに関連して質問させていただきます。 西彼半島を含む海上に点在します産炭地を一つの産業遺産として観光ルートをつくり、そして新しい観光ルート、そして誘客を図っていくという取り組み、昨年6月に私も質問させていただいて、その後、注目してまいりましたけれども、観光連盟、あるいは県観光課、篠部地域振興部理事のご努力で、これが着々と進んでいるというふうに私は認識いたしておりまして、新しい長崎の港を中心にした、その周辺に、非常に望みのあるものができつつあるなということを感じております。 そういう中で、昨年は、特に、端島(軍艦島)が非常に注目された年であったと思いますけれども、そういう中で、民間のNPO法人とか、あるいは高島町の商工会、あるいは野母崎の商工会青年部の皆さん方が一生懸命、熱を込めて端島(軍艦島)を活力の源として取り組んでおられることが報道もされましたけれども、そういう中で、どうも行政の対応がひとつ鈍いというか、冷たいというか、そういう感じがいたしております。 実は、昨年、北海道で「国際鉱山ヒストリー会議」というのがありまして、これは北海道の赤平市であったわけですけれども、実はその一昨年前に、高島町でやりたいという話があったけれども、地元高島町はどうも受け入れを拒否されたようでございまして、それは端島への上陸を認められないということも一つの原因であったようですけれども、今、この端島が、もしあの海域にないとすれば観光ルートはできないんじゃないかと、それぐらい非常に魅力的な、あるいは内外から注目されている島でありまして、ここに行政の関心が極めて薄いというのはいかがなものかと、私はそういうふうに思いますし、やはり地元のそういう方々の熱意にこたえてやっていくのが行政の役割ではないかと、私は思うんですけれども、あれを修復して上陸できるように、全面的に修復をということは言いませんけれども、しかし、やはり幾らかの手を加えて、そういう環境をつくっていく、それによって新しい栄華のまたステージも上がっていくと、そういう感じもいたします。今後の取り組みについて伺いたいと思います。 ○副議長(平山源司君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(横田修一郎君) 島の活用策という観点からお答えをさせていただきたいと思いますが、ご存じのように、端島は、昭和49年に炭鉱が閉山となりまして、以来無人島でございます。 その後、平成13年になりまして、会社側から高島町が譲り受けまして、現在、町有になっておりますが、既にご承知のように、接岸施設等は波に浸食をされておりますし、鉱員住宅は崩壊寸前でもございますし、また、上陸するには非常に危険な状況にございます。 その中にございます、大正にできたと言われる高層鉄筋アパートなどの遺構なんかもございますし、歴史的、文化的な価値は評価されるべきだというふうな点もございますけれども、その保存・管理については相当の経費が見込まれます。 このため、今後の活用策については、議員ご指摘の趣旨も踏まえまして、所有者でございます地元の意向も伺いながら、慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。(発言する者あり) ○副議長(平山源司君) 橋本議員-34番。 ◆34番(橋本希俊君) 慎重はわかりますけれども、これはやはり未来に希望が持てるような対策を講じながら、そして、地元高島町と一体となって頑張っていただきますように要望しておきます。 ○副議長(平山源司君) 黒田議員-21番。 ◆21番(黒田成彦君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・黒田成彦でございます。 新年度の国の予算は、小泉内閣による三位一体の改革によって、なお一層、地方にもそのしわ寄せが大きいものとなっています。 このことを踏まえ、本会議冒頭の知事説明の中で、「徹底した経費の節減と政策評価を活かした効率的かつ効果的な事業組み立てに努め、最少の経費で最大の成果が得られるよう予算の質を高めた」とする知事の方針には、心から賛同いたしますし、県民とともに大いなる期待を寄せているところであります。 しかしながら、本県特有の産業構造や雇用情勢をかんがみるときに、公共事業に依存する体質が依然として高いことは、ご承知のとおりであります。 そこで、これからの公共事業のあり方と地域経済を取り巻く環境を念頭に置きながら、順次質問をさせていただきます。 1、建設業者の農業への参入促進について。 平成16年度予算の新規事業として提案されています建設業者再編・促進等支援事業においては、建設業の経営改善の一環として、新分野進出、合併、協業化等への対応について、商工労働部等関係部局と連携しながら進めていくと示されていますが、農業分野への参入について積極的に促進すべきではないかと考えます。 例えば、岩手県では、構造改革特区において、建設業者みずからが所有する技術を活かして、ほうれんそう団地やしいたけ団地を建設し、農業で技術習得研修を受け、生産販売する仕組みを構築していると聞いています。 これによって建設業者が安定した雇用を確保するとともに、地域農業においては、生産出荷量の増加によって、市場競争力の強化を図ることができ、地域活力と所得向上につながることが期待されています。 国は、構造改革特区で認められている株式会社の農業参入を全国に広げる方針を固めたと聞いておりますが、具体的には、農地が効果的に利用できるようにするために、企業の参入を認める地域を市町村が認定できるよう、制度改正に向けて法案提出の準備がなされています。 本県においても、国の制度改革の方向性にのっとり、建設業などから農業分野への参入を促し、建設離職者対策と地域農業の活性化を図る仕組みをつくるため、新たに特区認定を申請していくべきと考えますが、今後の具体的な方針をお聞かせください。 2、「長崎県バイオマス マスタープラン(仮称)」の策定方針について。 国は、平成14年12月に、「バイオマス・ニッポン総合戦略」を閣議決定し、地球規模の環境問題をとらえながら、持続的に発展可能な地域社会の構築に向けて積極的に取り組んでいます。 この件につきましては、昨年9月の定例会において、朝長議員からも質問がなされ、新たな雇用創出、さらなる地域振興への提言として取り上げられたところであります。 本県には、森林資源や家畜排せつ物等の未利用資源が各地に存在し、バイオマス利活用による新しい企業創出や雇用確保についての可能性があるものの、技術の開発や生産、収集、輸送のコスト等の面において解決しなければならない課題が数多くあることも事実です。 そこで、こうしたマンパワーの確保については、前段で申しましたように、建設業者の新たなるビジネスチャンスとして位置づけることができないでしょうか。 従来の建設業者は、自然災害から生命や財産を守るための人工的な開発行為を生業としておりますが、これからの公共事業は、国が制定しました「自然再生推進法」の理念にのっとり、里山再生や河川改修を親水護岸に変えていくような自然環境と共生し、これを積極的に保護していく方向が重要ではないかと思います。 本県の魅力ある里山や農村集落を舞台とし、間伐材や家畜ふん尿等を活用するバイオマス事業としての就業機会を創出させるなど、建設業の新しいメニューとして位置づけ、都市と農山村の交流、そして定住、就労が促進されるよう、このマスタープランに盛り込んでいただくお考えはございませんか。 3、県産材の流通販売促進対策について。 本県の杉、ヒノキの多くは、戦後、植栽されたもので、伐採時期を順次迎えてくることから、その生産基盤や乾燥、加工施設の整備、流通や販売促進の体制づくりは喫緊の課題でもあります。 こうしたことから、平成16年度予算の中で、ながさきの木流通促進総合対策事業に取り組まれようとしていますが、このことについて幾つか質問をさせていただきます。 (1)、「ひとと木ふれあい推進事業」について。 この事業の対象施設は、多数の住民の利用が見込まれる施設、または学校などの教育施設及び福祉施設となっており、その対象事業者は、市町村、学校法人、社会福祉法人、協同組合等となっています。 最近の住民ニーズを省みますと、民間のグループホームや託児施設、学童保育施設などが今後の住宅需要として見込まれることから、こうした施設にこそ、木材の持つやすらぎ感やぬくもり、やさしさなどが必要であると思います。したがいまして、本事業の対象を、こうした公共に資する民間施設にも適用できるよう拡大すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 (2)、「ながさ木の家づくり支援事業」について。 これは、県産材の生産者と需要者が直接結びついた「ながさ木の家グループ」を設立し、グループに特化した支援と消費者需要の盛り上げを行うことで、グループ内における中間流通コストや各生産段階のコスト削減などを図るねらいがあります。 県の担当者によれば、こうした流通販売促進体制を構築していくことが優先課題であるとしており、私もその意義には賛同するものであります。 しかしながら、政府においては、長引く景気低迷を反映し、低金利が続く中、住宅ローン減税を1年間延長することを決定しております。 これは、昨年度の、このことが住宅建築戸数の増加という実績を反映したもので、国民の高い支持と評価を受けているものと言えます。 もしそうであるならば、住宅ローン減税が延長されたこの1年間が県産材を積極的にアピールする千載一遇のチャンスであり、そのためには、さきに述べました、ひとと木ふれあい推進事業同様、民間住宅にも思い切った助成制度を導入すべきではないでしょうか。 九州各県の状況を見ますと、熊本、宮崎、大分各県は、県産材使用率100%の実績を示しており、いずれの県も思い切った助成制度を創設しながら、流通促進に積極的に取り組んでおられます。 本県もこうした積極的な姿勢を示し、具体的かつ直接的な働きかけをすることが、必然的に流通体制などの構築に結びつくものと考えますが、いかがでしょうか。(発言する者あり) 4、長崎発の日本を代表する企業の本社に帰郷してもらう施策について。 県が発行しています「ながさき夢百景」の第17号、これでございますが、この中で金子知事と「(株)ジャパネットたかた」の高田 明社長との対談は、大変興味深く読ませていただきました。 佐世保を本拠地に、飛躍的な成長を続ける通信販売会社「ジャパネットたかた」の創業者である高田社長の独自の発想や経営戦略は、日本を代表する長崎発企業として、私も県民の一人として大きな感動と誇りを覚えた次第であります。 この対談の中で、特に興味深かったのが、金子知事が、「私がいつも残念に思うのは、長崎県で生まれた企業が成長すると、拠点を福岡などの大都市に移してしまうことです」とおっしゃったのに対し、高田社長が、「これだけインフラが整備され、情報ネットワークが進んでいますから、佐世保から大都市に出て行く理由が見当たらないですよ」という会話です。 本県出身の有名企業といえば、三菱重工業、SSKをはじめ、船舶無線機の古野電気、ほっかほっか亭のプレナス、シロアリ駆除のサニックス、長崎ちゃんぽんのリンガーハットなど、そのほかにもさまざまな分野における本県出身の企業が日本を代表する企業としてご活躍しておられます。 私は、こうした企業が大都市に本社を移転してしまうことについて、その原因を把握し、何が長崎県に足りないのかを詳しく精査し、そのための対策として、ソフト・ハード両面の事業を積極的に推進することによって、長崎に里帰りしてもらうよう、あるいは長崎にとどまってもらうよう働きかけていくべきではないかと思います。 このことが、ひいては本県のJリーグに向けた地域サッカークラブなど、専門的なスポーツクラブの創設を促すことにもなりますし、学術面での人材育成も含め、県内経済の浮揚、県民の郷土愛の高揚などにもつながり、将来、敷設されるであろう長崎新幹線建設事業における投資対効果の有効な裏づけになると考えますが、いかがでしょうか。(発言する者あり) 5、諫早湾干拓事業について。 (1)、中長期開門調査に対する知事の考え方について。 昨年12月末に、農林水産省は、潮受け堤防開門調査の実施についての検討会議において、報告書を取りまとめ、今後、最終的な判断が下されることになるとお聞きしております。 中長期開門調査に対しては、既に開門総合調査において、本事業は有明海にほとんど影響を与えないとされており、さらに、同検討会議による報告書においても、潮流や海底の土質、赤潮や生物といった有明海の環境は、気象や海流など、さまざまな要因で変動するため、仮に調査を行ったとしても、事業による影響を明確にすることは困難であるとされています。 仮に、長期間の全面開門をすれば、漁業被害や災害を防ぐための背後地対策として、新たに約620億円に及ぶ莫大な準備工事費用並びに対策期間という時間の浪費が必要であるとされており、実施の非現実性が指摘されています。 知事も繰り返しご答弁しておられますように、私自身も海域及び調整池の安定には、中長期開門調査を行うべきではないと考えますが、改めて開門調査に対する知事のお考えをお伺いします。 (2)、自然干陸地等、新たに生まれた資源の利活用について、及び調整池の環境保全・水質保全に対する県の取り組みについて。 本事業によって創造される調整池、潮受け堤防、自然干陸地等は、新たな資源として、地域の活性化等に幅広く活用していく可能性が極めて高いものになると考えられます。 特に、調整池については、既に多くの渡り鳥が飛来するなど、新たな水辺空間が形成されつつありますし、将来的な親水空間、あるいは児童を対象とした環境教育の場として期待される地域の資源にもなり、その活用のためには、水質をはじめとする調整池の環境保全が重要であることは言うまでもありません。 こうした課題については、県による「第2期水質保全計画」に基づき、県や地元自治体によって、各種の事業等が行われているとお聞きしていますが、その効果を上げていくためには、持続的な活動として位置づけ、周辺住民との連携や協力による活動が重要になってまいります。 そこでお尋ねですが、調整池、自然干陸地等、諫早湾干拓事業で新たに生まれた資源については、どのような利活用を考えておられるのか。 また、調整池の環境保全、水質保全について、県として、ソフト・ハード両面にわたってどのような対応策を展開していくべきとお考えになるのか、お伺いします。 6、海の森づくり総合推進対策事業について。 この件につきましては、私は一般質問に登壇するたびごとに取り上げさせていただいておりますが、それはやはり漁業、漁村を守り、やる気のある後継者を育てていくための根幹的な事業は、漁業資源の回復を促すため、全国的に藻場が消滅している磯焼け現象に対する施策が最重要であると思うからであります。 ご承知のとおり、藻場は、魚類の産卵場、あるいは生育の場として重要な役割を果たしていますが、この磯焼けの原因は、魚介類による食害や水温上昇などの海洋異変など、複合的要因が指摘されています。 こうした中、鹿児島県水産試験場において、大規模人工藻場造成事業に成功したというニュースが先日報道されました。この内容は、核藻場型藻場造成という手法により、波打ち際に4から5基の成熟時期の異なるホンダワラ類を着生させたブロックを設置し、磯焼け状態から2万平方メートル以上の回復に成功したというものです。 これまで、磯焼けの複合原因の中に、海水温度の上昇ということが言われていましたが、鹿児島県は本県よりも南に位置し、当然、海水温は高いと思われます。しかしながら、今回の研究結果は、ある意味でこれを覆すものとして画期的であり、現在、県内各地の漁場において、磯焼けが深刻な事態になりつつあることを考えます時に、本県もこの技術を導入し、藻場を積極的に回復させていくことこそが喫緊の最重要課題と位置づけられるのではないでしょうか。 さらには、本県の水産試験場において、魚類のふ化技術や、稚魚育成技術、加工技術などにおいて、斬新な技術開発が進められておりますことは高く評価されますが、一方で漁場環境の改善という観点に立ち、高水温に耐えることのできる海藻類の育成や移植、増殖技術の研究などにも積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 7、野生イノシシの捕獲を促進するための商品開発の支援について。 有害鳥獣としての野生イノシシの被害状況について、これまで県下全域における捕獲頭数は、平成13年度実績が4,814頭、平成14年度が6,455頭と、その後も増加傾向にあり、農作物への被害総額は、平成14年度で2億5,750億円にも及び、一層深刻なものとなっています。 そこで、こうしたやっかいものであるイノシシの肉を特産品にしようという取り組みが北松江迎町において行われており、先日、「イノシシ料理研究試食会」が開催されました。試食した参加者は、肉質の柔らかさやおいしさに大変好評で、今後の商品開発として大いなる期待が寄せられているところであります。 聞くところによれば、長崎市内の飲食店においても、捕獲イノシシの肉の取引について商談の申し入れがあり、新しいビジネスとしての芽が育とうとしている状況にあります。 仮にこれが成功しますと、これまで野生イノシシの被害を防ぐという受け身の対応から、特産品開発までに及ぶ前向きの対応に転換することで、地域として一挙両得の展開が期待されると思いますが、こうした動きに対して、県として支援策を講じていただくことができないか、お伺いいたします。 8、地域スポーツクラブ設置の促進について。 最近の本県出身者のスポーツ分野における活躍は大変目覚ましいものがあります。 国見高校サッカー部の全国制覇などの快挙に加え、アテネオリンピック出場選手に選ばれたサッカーの平山相太選手や徳永悠平選手、さらにはバスケットの浜口典子選手や永田睦子選手、そして、野球の城島健司選手も本県出身であります。また、そのほかにも陸上競技やバレーボール、相撲などにも本県ゆかりの著名な選手がたくさんご活躍しておられますことは、ご承知のとおりです。 こうした数多くの選手にあこがれ、夢を抱く青少年のスポーツの環境については、県内各地において、それぞれスポーツ少年団が形成され、その役割を担っていますが、あくまでチームスポーツは学校単位が原則となっており、このことは昨今の少子化により、チーム編成がままならず、また特定のスポーツに偏るなど、選手の才能発掘や技能向上には十分に対応できない環境にあります。 また、スポーツの監督や指導者は、その学校教員が担当しているのが実態であり、こうした環境は、指導に当たられる教員の人事異動や、やる気に左右されるという不安定な現状にあります。 そこで、これからは学校や自治体の垣根を超え、それぞれの地域においてスポーツクラブを立ち上げることで、その地域ならではの特色ある競技の育成や、これに対応できる指導者確保、さらには選手募集が幅広く行えますし、また活動に必要な財源確保の受け皿としてのスポーツNPO法人として、公的支援や助成を受けることができるよう、環境整備を進めていくべきだと思います。 私たち県民は、スポーツ選手やそれぞれの指導者に対して、輝かしい優秀な成績をおさめる時だけ一時的に拍手喝采を送るだけではなく、有能なスポーツ人材が継続的に育成され、誇りと希望、自信を持って、新たな記録更新や成績向上に努力できるような環境づくりに取り組まなければならないと考えますが、教育長のご所見をお伺いします。 9、放課後児童クラブへの支援について。 共働き家庭や一人親家庭の増加、そして核家族化や地域環境の変化等が見受けられる現代社会において、仕事と家庭の両立を支援するための放課後児童クラブは、働く女性への子育て支援として有効な手だてであり、その一方で、子どもたちにとりましても、安全が確保され、また社会性を学ぶことのできる貴重な空間として、その必要性、重要性がますます高まっています。 本県のクラブ設置状況も年々増加傾向にあり、平成12年度に策定された「スマイルながさき21」に定めた平成18年度には160カ所という目標数値をはるかに超え、181カ所と改定せざるを得ない現状にあり、住民ニーズがますます高まりつつあることを裏づけています。 県としましても、「平成16年度重点施策推進プログラム」に位置づけ、児童健全育成対策事業の中において、放課後児童クラブに対する支援措置を講じておられます。 しかしながら、実施自治体の数は、県下79市町村のうち44市町となっており、全国的にも低位に位置しています。 また、現場の指導員の雇用条件も、ほとんどボランティア扱いであり、子どものおやつ代や備品等を切り詰めてぎりぎりの運営を強いられているのが実情でもあります。 昨年の7月に発生した幼児誘拐殺人事件の反省に立って、「赤ん坊のときは肌を離すな、幼児の時は手を離すな、子どもの時は目を離すな、少年の時は心を離すな」という教訓を共有し、確認した本県ならばこそ、放課後、帰るべき家に親がいない児童を迎え入れ、社会全体で子育てを実施しようとする、この放課後児童クラブの支援には、より積極的な対応が求められると思うのですが、本年度の予算では、そうしたニーズに十分対応できているのでしょうか。 児童数減少が著しい離島や山間部、あるいは中心部の空洞化が進む都市部において、今後、なお一層期待が高まる放課後児童クラブへの取り組みについて、補助対象要件の緩和及び指導員の雇用条件などをどのように改善されようとしているのか、お尋ねします。 10、ココロねっこ運動の成果と道徳教育について。 (1)、「あいさつ・声かけ運動」「運動登録制度」の成果について 連日の報道の中で、子どもが犠牲になる事件、事故の多発傾向にやりきれない思いと深い憤りを感じております。 警察庁がまとめた昨年の少年犯罪による加害、被害の数のうち、虐待で死亡した18歳未満の子どもは42人、また、少年が被害に遭遇した凶悪犯罪は2,204件、性犯罪の被害者も7,376人となり、過去最悪という内容でした。 本県では、青少年が心身ともに健やかに成長するためには、地域社会全体で子どもたちを育んでいく重要性を打ち出し、「長崎県チャイルドケアシステム」の構築、並びに「ココロねっこ運動」を引き続き推進していく方針が冒頭の知事説明において表明されています。 「ココロねっこ運動」は、子どもたちの心の根っこを育てるために、大人のあり方を見直し、みんなで子どもを育てようという理念に基づく県民運動でありますが、平成15年度は「あいさつ・声かけ運動」と「運動登録制度」の2つの重点目標が掲げられていましたので、その成果について、どのような改善、効果、あるいは実績が見出されたのか、お尋ねします。 (2)、道徳教育の進め方について。 一般的に道徳という概念は、その国の歴史や文化に根差し、多くの先人が生きていく上で尊ばれる規範として築いた人間の美学、哲学であると思います。 したがって、私たちは、道徳教育を通じて、国民、あるいは県民としてのアイデンティティや郷土愛を再確認し、世界舞台において、外国の方々からも信頼が寄せられる国際人として、この重要な価値を抱き続けなければならないと思います。 そこで、現在、学校現場における道徳教育に目を向けますと、そこで教えられているのは、社会のルールと、これを守ろうという遵法精神、そして、礼儀作法などにとどまっており、これはこれで一定の評価に値しますが、本来、道徳教育として、今しっかり教えなければならないことは2つあると思います。 その1つは、親に孝養を尽くすことを通じ、祖先を敬う心、そして、もう一つは、あえて損をかぶる自己犠牲の精神、美学であると考えます。 親孝行とは、親に喜んでもらい、安心してもらうという子どもから発せられる心づかいのことであり、これはそのまま祖父母や祖先へつながる家の伝統への尊敬でもあります。 このことが、今、見失われているからこそ、偏った個人主義が蔓延し、殺伐とした家族崩壊へと陥っているのではないでしょうか。(発言する者あり) また、自己犠牲の美学は、本来、日本の伝統的な精神の美徳であると思っておりましたら、こうした哲学が、最近、外国の映画に取り入れられ、例えば「ボルケーノ」や「ディープ・インパクト」、また「アルマゲドン」など、最近では「ラストサムライ」に至るまで、今やその精神哲学ですら、逆輸入されている現実があります。 経済優先で進んできた戦後日本は、すべての価値が数値化され、何をするにしても損得勘定によってはかられる風潮が、今もなお続いています。たとえ自分が損をしても、他者に喜んでもらえることをよしとする無私の喜び、また、たとえ自分が犠牲になっても守らなければならないという自己犠牲の精神こそが、重要な道徳教育なのではないでしょうか。 小学校の成長期、また中学校の多感な時期にこそ、こうした親孝行や自己犠牲の考えを道徳教育の基本に据え、取り組むべきではないかと考えますが、教育長のご所見をお伺いします。(発言する者あり) 最後に、その他の項目として、鳥インフルエンザへの対応についてお伺いします。 京都で発生した鳥インフルエンザ感染の鶏肉が、去る28日、隣の兵庫県に、また本日は、関西方面へも出荷されていたという報道がなされました。 今回のケースは、養鶏業者が鶏の大量死という異常を通報しないまま出荷に至ったという、いわば人為的な無作為がもたらしたことが被害の広がりの原因になったということです。 本県は、去る23日に「鳥インフルエンザ警戒連絡会議」を設置していますが、今後、仮に家きん類や人への異常並びに感染が認められた場合、どのような対応がなされるのか、改めて関係部長にお尋ねします。 以上、本壇からの質問をこれまでにとどめ、必要に応じて自席から再質問させていただきます。 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(八江利春君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕黒田議員のご質問にお答えいたします。 長崎発の県外企業の県内への本社移転や長崎にとどまるための働きかけについてのお尋ねでございますが、本県で創業しながら、事業規模等がある程度拡大した段階で、大都市部に本社機能等を移転した主な企業を見てみますと、株式公開の2~3年前に本社を移転している例が特徴として見られます。 その要因としては、監査法人や幹事証券会社などの支援を受けやすい環境にあること、また投資家等が身近に存在するなど、資金調達の環境が整っていることが挙げられます。 さらに、大都市部は、市場規模が大きく、経済的な交流の面でも、全国展開等がしやすい地理的条件や交通インフラ等の優位性が挙げられます。 議員ご指摘のように、情報通信技術の発達によりまして、業種によっては、県内においても独自のビジネスモデルで大きな成長を遂げている企業はありますが、それに加えまして、長崎県内の優秀な人材や生活環境などが評価されまして、長崎県内に本社を移転したり、事務の中核部門の大規模な移転に至った県外の大企業の例などもあります。 県といたしましては、株式公開に向けたセミナーや監査法人、証券会社等との相談会の開催などによって株式公開を支援しているところでありますが、今後は、県内企業の動きに対する情報収集に努める一方、企業が県内にとどまるために必要な金融面等の対応策についても今後検討してまいりたいと存じます。 また、都市部に拠点を移した企業については、その要因をさらに分析しながら、県内への本社移転や工場等の立地についても検討していただくよう働きかけてまいりたいと存じます。 次に、諫早湾干拓事業につきまして、中長期開門調査に対するお尋ねでございますが、中長期開門調査につきましては、昨年末の「中長期開門調査検討会議」の論点整理を踏まえまして、農林水産省がその取り扱いについての判断を行うとされております。 県といたしましては、これまで中長期開門調査が実施されるとすれば、既に発揮されている防災機能や排水不良の改善など、総合的な防災効果が損なわれまして、加えて湾内外の漁場環境が悪化するなど、はかり知れない影響が懸念されるとともに、平成18年度の事業完成が困難となることから、到底容認できるものではないと繰り返し主張してまいりました。 さらに、議員ご指摘のとおり、国が実施した開門総合調査の結果では、潮位、潮流などにおいて、潮受け堤防の締め切りがほとんど有明海には影響しないことが実証されております。 また、「中長期開門調査検討会議」の報告書においては、仮に本調査を実施しても、海域の流動、水質等はさまざまな気象や海象など、複合的な要因によって影響されているため、諫早湾干拓事業が有明海に及ぼした影響を検討することは困難であり、かつ調査に膨大な対策経費と期間を要することが示されていることから、中長期開門調査の実施は非現実的であると考えております。 今後、農林水産省が地元関係者に行う予定である中長期開門調査に関する意見聴取をはじめ、あらゆる機会をとらえまして、中長期開門調査を実施しないとする国の判断が示されるよう、県議会や地元の皆様と一体となって強く主張してまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。 ○議長(八江利春君) 農林部長。 ◎農林部長(南里雅彦君) 建設業者の農業への参入促進について、特区申請についてどのように考えているかとのお尋ねでございますけれども、ご指摘の農業特区につきましては、担い手不足や農地の遊休化が深刻な地域を対象といたしまして、地域農業における役割などについて、市町村などと協定を締結する法人に対しまして、農地法の特例措置により農地を貸し付ける方式となっております。 現在、全国で27地区が認定されておりますが、農林水産省では、株式会社の農業分野への参入につきましては、現在の貸し付け方式が動き出したばかりでございまして、今後、その効果や影響等の検証が必要であるとしております。 農業につきましては、土地利用調整や道路、水路の維持管理など、地域や集落とのかかわりが深く、一般企業が農地を活用して新規参入する場合においては、地域との合意形成が必要不可欠なものと考えております。 県といたしましては、他産業からの新規参入を含めた農業の担い手を確保するため、これまでも就農相談、技術習得のための研修、営農開始のための農地の確保や施設整備への支援などに取り組んでまいりました。 建設業者などの農業参入に対しましては、当該業者の地域農業とのかかわりや、企業力、技術力、農業振興への役割などを総合的に判断を行うとともに、特区申請につきましては、市町村や地域の関係者と十分協議、調整を行い、適切に対処してまいりたいと考えております。 次に、「バイオマス マスタープラン」の策定方針につきましてのお尋ねでございますけれども、バイオマスを建設業者のビジネスチャンスとしてマスタープランに盛り込めないかとのお尋ねでございますけれども、バイオマスにつきましては、賦存量の把握や情報の収集、共有化を図るため、昨年8月、「長崎県バイオマス利活用推進協議会」を設置いたしまして、森山町、小浜町における資源リサイクルセンターの事例も踏まえながら検討を進めておるところでございます。 しかしながら、この実用化に際しては、議員のご指摘のとおり、解決しなければならない多くの課題があります。 策定予定のマスタープランでは、間伐材や家畜排せつ物、食品残渣などのバイオマスの分布状況やエネルギー化、新素材としての活用、農業での再利用などの先進事例を踏まえまして、技術的、経済的な実現性について検討することとしておりまして、バイオマスの事業化を計画する建設業者や、その他の事業者が活用できるような内容にしたいと考えております。 なお、これらの開発等に当たりまして取り組む意欲的な事業者に対しましては、中小企業経営革新支援事業費補助金等により支援してまいりたいと存じます。 次に、ひとと木ふれあい推進事業について、民間も補助対象にすべきではないかとのお尋ねでございますけれども、ひとと木ふれあい推進事業につきましては、県産材のよさを広く啓発するため、PR効果の高い先導的な施設に助成することによりまして、民間住宅への波及効果を期待して新設したものであります。 したがいまして、まずは多数の県民が利用する公共性の高い施設を整備する市町村、社会福祉法人、学校法人などを補助対象としたところでございます。 なお、議員ご提案のグループホームなどの民間施設への助成につきましては、議員ご指摘のとおり、木のやすらぎやぬくもりが活かされ、県産材のPRにもなるものと存じますので、今後、関係部局とも検討してまいりたいと存じます。 次に、ながさ木の家づくり支援事業につきまして、民間住宅にも助成措置を導入すべきではないかとのお尋ねでございますけれども、本県における木材の流通は、これまで県外産材が大勢を占めておりましたが、戦後植栽された人工林が順次主伐期を迎えることから、県産材の販路開拓が課題となっております。 このため、県産材の流通体制の確立を図る新たな施策といたしまして、ながさきの木にこだわった家づくりグループを組織化し、モデル住宅建設などの事業活動を支援することによりまして、継続的に県産材の販路開拓につながる体制づくりをまず行うことにしております。 民間住宅への直接的な支援につきましては、平成15年度から木造住宅の建設促進を目的として利子補給制度を創設したところでございまして、その実績を見ながら、今後、県産材を使用した場合の支援策についても検討してまいりたいと考えております。 次に、諫早湾干拓事業について、調整池、自然干陸地等の資源活用についてのお尋ねでございますけれども、諫早湾干拓事業によって創出されました潮受け堤防、調整池、自然干陸地等の地域資源につきましては、堤防道路の整備や自然干陸地を利用したコスモス、菜の花の植栽によるふれあいやイベント空間としての活用を進めております。 さらに、周辺環境に配慮しながら、これらの地域資源を総合的に活用するため、学識経験者、地域住民等からなる「諫早湾地域資源等利活用検討協議会」におきまして、生物観察、ふれあい交流、スポーツレジャー、観光等の幅広い視点からの検討が進められているところでございます。 県といたしましては、これまでの県議会の議論や本協議会での今後取りまとめられる提言を参考にしながら、地元市町や関係者の皆様との連携のもと、環境と調和した資源の利活用により、地域の活性化に努めてまいりたいと思っております。(発言する者あり) それから、鳥インフルエンザが発生した場合の対応のお尋ねでございますけれども、本県で鳥インフルエンザを疑う事例が発生した場合は、直ちに庁内に副知事を本部長とする対策本部を設置いたしまして、関係部局が連携して初動防疫を徹底してまいります。 家きんの防疫対策については、「家畜伝染病予防」及び「防疫マニュアル」に基づきまして、当該農場の隔離や鶏舎等の消毒及び出荷される鶏卵、鶏肉の回収を行います。 また、当該農場から半径30キロ以内の養鶏農家等に鶏や鶏卵の出荷、移動自粛を要請し、迅速、的確に対応いたします。 発生が確定された場合は、移動自粛要請を移動制限に切りかえ、発生農場の鶏の殺処分及び消毒を行い、市町村と協議の上、埋却を実施いたします。 あわせて周辺農場の立ち入り検査を行い、徹底した防疫を講じてまいります。 また、県民の皆様へ安全に関する正確な情報を随時提供いたしまして、鶏卵、鶏肉への風評被害対策及び適正な流通対策に努めてまいります。 この問題につきましては、本病への対応は初動防疫が極めて重要ということでございますので、市町村、関係団体と連絡を密にいたしまして、養鶏農家、学校、県民の方々からの情報提供をさらに強く呼びかけまして、早期発見と拡大防止のための対策に万全を期してまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 県民生活環境部次長。 ◎県民生活環境部次長(井口隆徳君) 諫早湾干拓調整池の環境保全、水質保全に対する県の取り組みについてのお尋ねでございますけれども、平成15年3月に策定しました「第2期諫早湾干拓調整池水質保全計画」に基づき、関係機関が連携しながら、調整池に流入する汚濁負荷量の削減対策を進めているところでございます。 特に、生活排水対策につきましては、下水道や浄化槽など、生活排水処理施設の整備促進を図っており、平成14年度末現在の生活排水処理率51.9%を、平成19年度までに68.6%に高めることを目指しております。 また、生活排水は、家庭の台所やふろなど、住民一人ひとりに起因することから、住民参加による環境保全活動が重要であると認識いたしております。 このため、国、県、1市4町で構成する「諫早湾干拓調整池水質保全対策検討会議」を平成16年2月に開催し、住民参加のもと、流入河川の水質調査を今月中に実施することといたしております。 今後、地域住民などと協働して、河川清掃や水生生物調査等、河川浄化や調整池の水質保全のための行動を促進してまいります。 さらに、渡り鳥の飛来やヨシの繁茂など、新しく生じつつある生態系を、住民とともに守り育む活動の促進や調整池、自然干陸地及び後背地の特徴をより活かした利活用と一体となった調整池の水質保全のための実行計画を策定してまいります。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 水産部長。 ◎水産部長(久保紘遠君) 鹿児島県の技術を導入し、藻場を回復させてはどうかというお尋ねでございます。 鹿児島県が実施した試験につきましては、先般、職員を派遣し、概要の聞き取りと現場の調査を行いました。 試験は、磯焼け地帯に小規模な藻場を造成し、その藻場を核として、磯焼け回復を図ろうとするものであり、その手法としては、海藻を食べる魚が近寄りがたい水深1メートル程度の浅場にコンクリートブロックを設置し、また成長する時期が異なる南方系を含む5種類のホンダワラ類の移植を行うことで、魚類からの集中した食害を防止するというものでありました。 この結果、試験地区において南方系のホンダワラ類が増加し、磯焼けが回復に向かっているとのことであります。 鹿児島県の事例につきましては、浅い海域に着目し、かつ南方系の海藻数種を利用したことが評価されますが、今後、深い海域への応用や藻場回復の過程の解明が研究課題であると聞いております。 なお、本県でも従来見られなかった南方系のホンダワラ類の分布拡大を確認しており、野母崎町地先において、南方系の海藻であるマジリモクと在来種との組み合わせによる移植比較試験などを実施しておりまして、その結果、南方系の海藻の優位性が見られております。 したがって、鹿児島県の事例を応用して、本県でも確認されている南方系の海藻であるキレバモクとか、フタエモクなどについても、実証試験を検討してまいりたいと考えております。 次に、高水温に耐え得る海藻類の育成や移植などにも取り組むべきではないかとのお尋ねですが、現在、総合水産試験場におきまして、これら南方系の海藻について、磯焼け対策の新たな増殖対象種として生育過程や成熟時期などの生態解明に取り組んでおります。 今後は、これら生態的知見を活用し、種苗生産技術や移植技術等の研究に積極的に取り組み、磯焼け回復技術の開発を進めてまいりたいと考えております。 なお、平成16年度の長崎海の森づくり総合推進対策事業につきましては、新たに国の緊急磯焼け対策モデル事業を取り込みまして、事業の充実を図り、海域の特性に応じた磯焼け対策を推進してまいりたいと存じております。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(中本豊治君) イノシシ肉の商品開発等に県として支援ができないのかというお尋ねでございますが、イノシシによる農作物への被害は目に余るものがあり、捕獲することで被害が減少し、その肉を県産品として活用することは、二重に地域振興に資するものだと考えております。 江迎町では、イノシシ肉を町の特産品として販売するため、平成15年4月、県農政ビジョン推進特別対策事業で加工販売所を設置するなど、さまざまな取り組みを行っております。 加工肉については、長崎市内の料理店での食材としての取り扱い、民間業者とタイアップしての加工品開発などが進行いたしております。 県といたしましても、こうした地域の特産品の開発の取り組みに対しては、新商品開発、需要開拓などに助成する長崎県ふるさと産業振興事業費補助金等の制度を活用し、支援してまいりたいと存じます。 以上でございます。(発言する者あり)
    ○議長(八江利春君) 教育長。 ◎教育長(木村道夫君) まず、スポーツ人材を継続的に育成する環境づくりについてお答えをいたします。 部員数の減少や指導者の不足などによりまして、部活動を継続することが難しくなってきてみたり、あるいは、廃部に至るというケースが生じておりますけれども、競技分野の拡大やジュニア層の発掘、育成を行い、競技力の向上に向けた視点から、地域を単位としたスポーツクラブの設置、育成を図っていくということは、大変大事なことだというふうに考えます。 既に、地域でバドミントン、陸上競技等、幾つかの競技種目については、取り組みが進められておりますので、これらの取り組みとあわせて、特色ある競技を育成し、競技力の向上を図ります。地域における強化拠点整備事業もあわせて進めながら、学校部活動と地域スポーツクラブとの連携によって、有能なスポーツ人材の発掘、育成を目指してまいりたいというふうに考えております。 それから、「あいさつ・声かけ運動」、「ココロねっこ運動」の登録制度の成果についてでございますけれども、県民皆様のご理解をいただきまして、「ココロねっこ運動」に対する賛意登録は1,360件を超えておりまして、そのうち「あいさつ・声かけ運動」については、1,000件に達しております。 例えば、口之津町立第一小学校区でのあいさつからはじまったお年寄りと子どもの心の交流、あるいは、長崎市立梅香崎中学校PTAによります地域パトロールでの声かけ運動など、各地で特色のある活動が見られております。 また、地域社会が一体となった取り組みによって、有害図書類自動販売機の撤去も進んできております。 このように、「ココロねっこ運動」は、多くの県民の方々に認知をされ、地域社会に根づきつつあるというふうに認識をいたしておりますけれども、今後も気を緩めることなく、取り組んでまいりたいというふうに考えます。 それから、道徳教育の進め方について申し上げますけれども、親孝行や自己犠牲については、道徳の時間を中心にして、発達段階に応じて指導をいたしております。 しかし、これらは学校で教えることはもちろんでございますけれども、親子のつながり、あるいは地域社会との人間関係の中から自然に育てていくことが最も大切なことではないかというふうに考えております。特に、親孝行の考え方は、家族の愛情、あるいは家族間の強いきずながあってこそ真心の行為として見えてくるものではないかというふうに思います。 いずれにしましても、ともすれば自己中心的な社会の姿を、大人が真剣に見つめ直すことが必要ではないかというふうに考えます。 県教育委員会では、思いやりや感謝する心、正義感や公正さを重んじる心などを育てる取り組みを進めてまいりましたが、平成16年度からは重点施策推進プログラムとして、「長崎っこの心を見つめる教育週間」、あるいは子供たちの「しま」体感促進事業なども実施することといたしております。 今後とも、子どもたちに、時代を超えて変わらない日本の文化や伝統を大切にする心をしっかり育ててまいりたいというふうに考えます。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(塚原太郎君) 放課後児童クラブについてご答弁いたします。 放課後児童クラブの経費につきましては、市町村の要望を取りまとめ、予算化しておりますけれども、平成16年度におきましては、2億1,900万円を計上しております。 しかしながら、県内での取り組みは44市町にとどまっておりまして、小学校数に対します設置率は38%で、全国平均の58%を大きく下回っております。 したがいまして、今後も引き続き、市町村に対しまして設置促進の働きかけを行ってまいります。 次に、補助対象要件の緩和につきましては、運営費補助の要件に満たない児童数9人以下のクラブが県下に8カ所ございます。県内の潜在的ニーズは、今年度中に把握するよう市町村に指導しており、その調査結果を踏まえまして、補助要件のあり方について検討してまいりたいと存じます。 また、指導員の状況につきましては、調査を行いまして、現在取りまとめ中でございますけれども、常勤職員の割合は、指導員総数の32%となっております。雇用条件のあり方につきましては、この調査結果を踏まえ、事業実施主体である市町村のご意見も伺いながら検討したいと存じます。 次に、鳥インフルエンザの関係でありますけれども、人への感染防止対策といたしましては、県民にうがい、手洗いを励行するとともに、発生農場等の従事者や防疫従事者に対する健康調査、抗インフルエンザ剤の予防投与を行うこととしておりまして、そのための薬剤の備蓄も行っております。今後とも、万全を期してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 黒田議員-21番。 ◆21番(黒田成彦君) それでは、それぞれ再質問をさせていただきます。 まず、ながさきの木流通促進総合対策事業なんですが、先ほど農林部長は、本県においても利子補給等の支援措置をしながら、今後の推移を見守っていきたいという答弁をされましたけれども、私は、この支援事業の先に、いわゆる民需というか、利益を生ずる事業等については、余りだらだらと助成措置を公的機関がやるべきじゃないと思っております。短期集中的に、選んで効果的にやっていくべきと思うんですが、本県の利子補給は、全国で利子補給をやっている13都道府県のうち一番低い。補助利率が0.3%ですね。ほかは0.5%、1.0%、最高で2.0%というのもあります。また、助成制度と併用している県もあるんですけれども、こういう0.3%というのが、効果的なのかどうかというものをもう一度見直して、さらにこれを上乗せするようなお考えというのはございませんか。 ○議長(八江利春君) 土木部長。 ◎土木部長(中野正則君) この利子補給制度につきましては、平成15年度から平成17年度の3年間で、長崎県優良木材住宅建設促進利子補給制度というので、各年度末の貸し付け残高の0.3%を利子補給するという制度でございます。 概要でございますが、住宅金融公庫の基準金利の適用住宅で住宅性能保証とか、あるいは性能評価を受けたような木造住宅と限定しております。それで、3年間の中で、全体で1,050万円、それから一人に対して5年間補助するようになっています。 それで、平成15年度からはじめたということでございまして、これは実は、今までに別の融資制度なんかをやっていまして、平成15年度は初年度ですけれども、そういうことで今後、またいろいろな拡充方法は検討しますが、現在のところ、実績でございますが、これからまた選定することになると思いますが、2月12日現在で53件きていますので、そういう意味では、まあまあきているんではないかということでございます。 いずれにしましても、そういう制度の使われ方とか、それから利用者の反応といいますか、こういったものを見ながら、今後また検討していきたいというように思っています。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 黒田議員-21番。 ◆21番(黒田成彦君) 本県は、利子補給だけでございまして、補助金はないんですが、ほかの補助制度を導入している都道府県の事例を見ますと、1戸当たり40~50万円、60万円助成したり、あるいは、お金でなくて、木材そのものを90本とか60本とか、無償で支給する、そういう制度がある。 先ほど、農林部長のお話では、公的施設の方が波及効果があると、こうおっしゃいましたけれども、私は公的施設を訪問して、県産木材だと眺めるよりも、民間のお一人おひとりの住宅に行って、「これは県産材よ、木材90本、ただよ」という方が、うらやましいな、いいなと、うわさがうわさを呼んで波及効果が大きいと思うんですよ。そういう効果において、本県の例にちなんで、やはり思い切ってこの辺、お金が乏しければ木材で、90本ただでやっても、百何十本使うわけですから、200本以上使うわけですから、そういう意味で効果があるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。(発言する者あり) ○議長(八江利春君) 農林部長。 ◎農林部長(南里雅彦君) その点につきましては、今後、主伐期を迎える事業開拓ということで検討の要素とさせていただきたいと思っております。 ○議長(八江利春君) 黒田議員-21番。 ◆21番(黒田成彦君) 私が今回質問させていただきました前段の1番、2番、3番は、実は、地元の建設業者の新規参入に結びつかないかなという提案でございます。 初日の大石議員の一般質問への答弁として、いわゆる「再編支援推進本部会議」というものを関係部局で立ち上げて、支援プログラムを策定するということがうたわれております。 また、建設業協会の中に、経営支援センターを設置して、革新のためのセミナーを行うとなっておりますが、こういった分野、いわゆる森林の伐採とか、収集とか、あるいは農業参入とか、それから、今度、ながさきの木流通促進総合対策事業の3番目に森林の防人養成事業とあるんですけれども、これは新卒者や失業者を対象にしていますが、こういったことこそ、新規就労者では時間がかかりますので、やはり仕事が少ない、公共事業の予算がないと言っている建設業者をそのまま横すべりで使うことの方が早いし、効果的だと思うんです。しかも、森林組合の職員を育成するというよりも、民間にさせて、就業してこい、資格を与えて、こういう伐採事業を担わせるという方が民間活力的にもいいと思うんですが、土木部長にお尋ねですけれども、そういった建設業者に対するガイダンス的なものをこのプログラムの中に盛り込むことはできないんでしょうか。(発言する者あり) ○議長(八江利春君) 土木部長。 ◎土木部長(中野正則君) 今回のそういう支援に先駆けて、現在、もう3月ですので、2月末に取りまとめがありますが、建設業協会がアンケート調査を関係団体といいますか、全体で7団体に対して行っておりまして、その中で幾つか項目があるわけですけれども、建設業の新分野進出の項目がございます。その中でいろいろなアンケートを聞いておりますので、その結果をもとに、先ほど議員がおっしゃいましたけれども、関係部局からなります「再編支援推進会議」というのを来年度立ち上げようとしていますので、その中でまた支援のプログラムというものをつくっていきますので、そういうところでアンケート調査の結果を受けて検討してまいりたいというふうに思っております。 それから、建設業協会が経営革新のためのセミナーを行うわけですけれども、その中にもそういう新産業への分も含めたような形になると思いますけれども、経営の多角化というような項目もありますので、そういう中でも建設業の方々にも普及していくような方策もとっていきたいというふうに思っております。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 黒田議員-21番。 ◆21番(黒田成彦君) 放課後児童クラブについての再質問ですが、先ほど、今後の現場の調査を踏まえて改善を取り組んでいただけるというふうなお話でございましたけれども、お隣の佐賀県では、平成16年度予算から指定緩和を2人以上にするということで、大幅な取り組みをされているんですが、私は2人しかいないから2人以上にするのではなくて、2人以上にするとしたことで、あなたもやらないか、私もやらないかということから事業がはじまる。つまり、それが3人、4人、ひいては10人、15人になることを誘い水としてする取り組みじゃなかろうかと想像しております。 したがって、44市町でしか行われていないという現状を見るときに、やはり指定緩和を思い切って実施していただいて、そこから人数を増やすような誘導的な、誘発的な方向に持っていくべきではないかと考えますけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。 ○議長(八江利春君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(塚原太郎君) 今の制度では、10人までを補助対象としているわけでありますが、9人以下の場合にどうするかということでありますけれども、これは本県の人口の分散がどうなっているかというような特殊性もあると思うんですけれども、いずれにしても、今、市町村の方で事業を把握していただいておりますので、それを踏まえて、今後の取り扱いについては、実施主体の市町村ともよくご相談をさせていただいて、検討したいと思います。 ○議長(八江利春君) 黒田議員-21番。 ◆21番(黒田成彦君) 逆に、都市・郊外部の学校では、50人という定員をオーバーしまして、抽せんで10人が外れて、そして、それが家庭に帰られなくて困っているというケースもあります。そういった実情を踏まえて、よろしくお願いしたいと思います。 最後に道徳教育なんですが、先ほど、教育長は、親孝行の考え方や自己犠牲は自然に発生していく、育っていくというふうな回答だったと思いますが、私は、こういうのはあえて教えないとわからないのではないかと。自然にというのは、やっぱり欲望の力の方に傾いていくわけであって、やはり高い思想、高い理念を、こうあるべきだと教えていくことが重要ではないかと思います。(発言する者あり) そこで、今度は読み聞かせのことで、私はそういう考えについては、読書を通じて教えていくことが大事かと思って、今回、県が策定した200冊というのを見てみました。 ところが、この200冊のうち77冊が外国の書籍で、ほとんど冒険・スポーツもの、自然、動物、虫、そういったもの、友情ものがあって、家族のきずなというのはあんまりなかったんですね。それから、比較的新しい図書が選ばれていて、古典がない。例えば芥川龍之介の「杜子春」とか、太宰治の「走れメロス」とか、あるいは山本周五郎、夏目漱石、樋口一葉、来年からお札になりますけれど、こういった人たちの著書が全くない。何で古典がないのか、教えてもらえませんか。(発言する者あり) ○議長(八江利春君) 教育長。 ◎教育長(木村道夫君) この200冊を選定するに当たりましては、児童文学の専門家、あるいは図書館関係者、学校司書等の方々で選定委員会をつくりまして、その中で県民の方々から推薦をいただいた1,400冊余りの中からピックアップをしたものでございまして、子どもたちに読み聞かせをする、あるいは子どもたちに読ませる本として適当なものだというふうに考えたものであります。 決して、古典を排除するということを意図したものではありませんが、結果としてそういう選考になったという次第であります。 ○議長(八江利春君) 黒田議員-21番。 ◆21番(黒田成彦君) 時間がないので、最後に一言申しますが、長崎発の企業の本社が、そういった会社の都合で、なかなか長崎に帰ってこれない背景はよく理解できます。ただ、営業本部とか、そういう金融調達部門とか、そういったものを東京とか、大都市に残して、そして取締役とか、そういう所得の高い人たちが、やはり長崎に帰ってもらうことで、住民税とか、いろんな意味で県の財政も明るくなるのではないか。あるいは、住んでいただくならば、諫早西部団地に住んでもらうとか、(発言する者あり)建ててもらうときは、県産材で建ててもらうとか、そういったことで、そういう一つの流れとして、長崎県を愛する気持ちを、そういう経営者がリーダーとして取り組んでいただくよう、そういったいわゆるサロンというか、経営者会議というものを立ち上げながら、長崎への郷土愛を高めていただく方向性を築いていただければと思っております。 時間がないので、要望にかえさせていただいて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(八江利春君) これより関連質問に入ります。 宮内議員-50番。     〔関連質問〕 ◆50番(宮内雪夫君) 黒田議員質問のイノシシの問題、並びにその食用利用等について、関連をしましてお伺いしたいと思いますが、開口一番、農林部長が延々と答弁をしておられたので、まあその中にはイノシシも必ず出てくるじゃろうと、こういうふうに思っておりましたら、とうとうイノシシは最後まで出てこないで、(発言する者あり・笑声)待たされたということになるわけでありますが、それはさておきまして、今回、知事も知事説明書の中に、6行ほどではございますけれども、イノシシの件について触れております。 そこでお聞きをしたいと思っておりますが、かなり効果が上がってきておる、そういうようなことは、いろいろなところで聞くわけでありますが、私ども周辺の農家を回りますというと、被害農家から、「とにかく、イノシシを何とかしてくださいよ」という声を、どこででも聞くわけです。私が、毎回毎回こういうふうに申し上げるのも、それなりにやっぱり根拠があって申し上げておるわけであります。 そこで、いろいろと対策を講じられておることはよくわかっておりますけれども、正直言って、例えば米軍住宅の周辺などは、土曜日に仕掛けて日曜日開けるわけですよ。1匹も入っていないんです。そんな仕掛け方をしたって、これは実際、労多くして益少なしであろうかと思います。ほかのところの捕獲の方法も、大なり小なり似たようなところがあるというふうに思います。 どうかひとつ、知事におかれましては、この捕獲の方法等々について、いま少しひとつご検討を願って、被害農家がもっと安心して農業経営をやれるような体制に、いま一歩、いま少し前進をするような体制をつくっていただきたいことを心からお願いを申し上げる次第でありますが、その点について、知事のご構想なり、考え方なり、一言お伺いをしておきたいと思います。(発言する者あり) ○議長(八江利春君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) イノシシの問題は、私も地域にお伺いした時に、本当に切実な問題だということで、お話をお伺いしております。 知恵を出しながら取り組んでいるんですけれども、なかなか効果がないということも、確かにあるようでございますが、先般、片山議員からもいろいろお話がありました。我々もなかなか知恵足らずのところがあるかもしれませんが、議員におかれましても、ぜひいろんなご指導をいただいて、より効果的なものに我々も予算をつけていきたいというふうに思っておりますので、今後ともよろしくご指導のほどをお願いしたいと思っております。(発言する者あり・笑声) ○議長(八江利春君) 朝長議員-41番。     〔関連質問〕 ◆41番(朝長則男君) それでは、黒田議員の一般質問の中での2項目目の「長崎県バイオマス マスタープラン(仮称)」の策定方針についてに関連いたしまして質問をさせていただきたいと思います。 今、農林部長から一定のご答弁がございました。昨年度、私が農林水産委員会に所属した時からのご答弁に比べると、格段の進歩があるというふうなことで評価をさせていただきたいと、そのように思うわけでございますが、廃棄物バイオマスだけではなくて、いわゆる未利用のバイオマス、あるいは、これからの自然作物を活用したバイオマスとか、あるいは新素材、新エネルギーといった、そういうものに関してのバイオマスまで含めたところの策定をしていくんだというふうに私は話を聞いたわけでございますが、そういう形の中で進めていただくことは大変すばらしいことじゃないかなというふうに思っております。 そういう中で、この策定に当たりまして、策定をされるメンバーというものが非常に重要になってくるんじゃないかと思うんですが、策定されるメンバーの人選ということについて、どのようなお考えを持っておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。 ○議長(八江利春君) 農林部長。 ◎農林部長(南里雅彦君) 昨年8月に、「長崎県バイオマス利活用推進協議会」をしましたときに、メンバーは、農協関係、あるいは畜産関係、森林関係、中小企業の団体関係、九州電力、それから庁内の関係部局ということで、あと特別委員といたしまして、長崎総合科学大学の坂井教授、あるいは、九州沖縄農業研究センターの薬師堂チーム長を入れてつくったところでございます。 黒田議員が、建設業の方も含めていろいろということであれば、建設業協会のそういう専門家も入れた形、あるいは民間の三菱等で進んでいるというのがございますので、そういう方々を策定委員の中に入れて、具体的な検討を策定に当たってはしたいというふうに思っております。 ○議長(八江利春君) 朝長議員-41番。 ◆41番(朝長則男君) 今、農林部長からご答弁をいただきまして、大体そういう傾向でいいんじゃないかなというふうに思います。産官学ですね、そういう形の中で取り組んでいただきたいというふうに思いますが、特に、長崎県の場合には、バイオマスに関しましての研究部門では、非常に先進県だということで言われるわけですね。特に、先ほどお名前が出ました長崎総合科学大学の坂井教授も、この方は日本の中でも第一人者でございますし、「バイオマス日本」のアドバイザーということでの活躍もされております。そういう方がいらっしゃいます。 そして、また三菱重工業には、今までの技術の集積というものもあるように聞いております。 そして、また新たな取り組みというようなことで建設業関係のメンバーもというようなことでございますが、どうぞ幅広い人材を入れていただきながら、そして、またこれは長崎県だけではなくて、全国に発信する、あるいは世界に発信するというような、そういう思いでもって策定をしていただきたいと思うんです。というのは、このバイオマス産業というのは、1次産業、2次産業をいかに活性化させるかということで、我が県におきましては、新しい産業の一つの大きな芽生えになってくるんじゃないかなというふうに思います。 特に、今まで、県北、あるいは離島部、そういうところにつきましては、次の産業というふうなことでの可能性が十分あるんじゃないかというふうに思うわけであります。次の産業の模索ということで、非常に苦慮をしている中におきまして、このバイオマスはうまく策定をし、そして、これを起業化、産業化というようなことでやっていきますと、大きな力になっていくんじゃないかなというふうに考えておりますので、ぜひそういう前向きの姿勢でもって、そして10年、20年先を見た、そういうバイオマスのあり方というものを十分に模索をされながら、この策定をしていただきたいというようなことを強く要望しておきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(八江利春君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。     -午後4時22分 散会-...